第16話



晴香ちゃんの泣き声を聞いて皆が集まってきた。


ん?この状況、他の人から見たら私が泣かせたように見える?


周りの人を見ると、その中に翔ちゃんがいた。不思議そうな顔で私を見てる。


私の事、嫌いになっちゃったかな?もう…遊んでもくれないのかな?


「せんせーい!晴香ちゃんはなんで泣いてるのぉ?」


私達を見ている子が言った。


「ゆうちゃんがァ…晴香の事きらいだってぇ」


先生ではなく晴香ちゃんが言った。やめて、やめてよ。私が悪いみたいに言わないでよ…


「ちが…」


「何言ってんだ!優はそんなやつじゃないぞ!」


私が反論しようとすると、別の声が聞こえてきた。聞きなれた声、ずっと聞きたかった声。


あぁ、そうか。翔ちゃんが私を庇ってくれているんだ


気が付くと翔ちゃんは私の前に立ち、やがて言った。


「優はそんなこと言ってないよな?!」


そんなの。決まってるじゃん…


「私、晴香ちゃんに嫌いだなんて言ってない!」


大きな声でみんなに届くように、誰よりも翔ちゃんに届くように。そう…言った。


その後、騒ぎを聞き付けた他の先生が来て、解決した。

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