カントースカヴェンジャーデイズ

はじめに あるいは大雑把な世界観

昔、日本という国があったらしい。

今でこそ文化や気候すらバラバラになってしまったカントーだが、嘗てカントーはトーキョーを首都とする日本の大都市圏であったとかなんとか。

それがある日、滅茶苦茶になってしまった。

原因はわからない。一つだけわかっているのは、その日から異なる常識、異なる物理法則で動く様々なカントーが一つながりになってしまい、元に戻らなくなってしまったということだけだ。

謎に包まれた部族が住まい、危険な魔獣の闊歩するグンマー原生林。

皇帝により統率され、ファンタジーな身体能力を持つ騎士達によって治められるトチギ帝国。

ＳＦ小説さながらの超科学を持ち、されど揮発してしまった倫理性によりデストピアそのものの茨城連邦。

昼は灼熱、夜は極寒、挙句に汚染物質でできた毒性の沼が点在する地獄と化している埼玉ムーア。

魔法が実在し、人を駒に天使と悪魔が覇権を争うセンヨウ荒野とカナガワ聖域。

それら地域のどこよりも危険でミステリアスなトーキョー遺跡。

これから語るのは、そんな常識も世界観も滅茶苦茶な世界で、それでもしぶとく生き続ける人間達の物語である。