第3の殺人

現場をそのまま後にして全員をラウンジに集めて話し合いをすることになった。

「誰が殺人犯かわからないので、お互いがお互いを見張っておきましょう。トイレに行く場合は3人組で行った方が安全でしょう。そして全員はラウンジで見張りあいをして、朝まで過ごしましょう。警察が無人島に来た後は警察が全て捜査して事件を解決しますので落ち着てください」

桂警部が全員に向かっていう。

「あんな酷いことをする人間がこの中にいるなんて・・・」

将軍が腕組みをしながら答える。

「この中に犯人がいるのかわからない。誰か怪しい人は見なかったのか?」

俺は外部犯も視野に入れて全員に尋ねた。

「怪しいのは将軍と金成じゃけんの」

竜馬が敵意を露わにして答える。

「なんだと!」

将軍は怒りながらいう。

「ワシと王子、二歩、船長の4人は一緒にいたじゃけん!アリバイがあるじゃけんの!」

竜馬は潔白を主張する。

「私は君と桂警部と3人でいましたのでアリバイがありますな」

豚先生もアリバイを証明する。

「俺はやってねええええええ」

将軍は頭に血が上ったのか大声を張り上げた。

「やられる前に殺ってやる!お前ら全員を殺すぞおおおお」

将軍は暴れ始めた。

「こいつはヤバい錯乱している。取り押さえないと」

桂警部が獣を制するように回りにも促した。

桂警部、二歩、俺、船長の4人がかりで将軍を抑え込んだ。

「ぐぐぐ・・・わかった・・落ち着けばいいんだろ!」

将軍はおとなしくなった。

「犯人は将軍じゃ。体に障害のあるワイには人を持ち上げてクビを吊らせたり、人のクビを切り落とすなどできないんや」

金成が将軍を煽るので、桂警部が止めるようにいう。

「これ以上疑いあうのはよさないか」

「まあ確かにそうデス。みんな疑心暗鬼になっているお互い疑うのはよそうデス」

王子も全員を落ち着かせようとする。

しばらく全員が口を閉ざしていたが、竜馬が声を出す。

「ワシはトイレに行きたいのだが、他にトイレに行きたい人はいないかじゃけん?最低3人で動いた方が安全じゃけんの」

「ドイレにいがなあがああああん」

「私も行くデス」

二歩と王子は手を挙げて答える。

王子、二歩、竜馬の3人はトイレに行く事になった。

「喉が渇いてきたので、ついでに飲み物を持ってきて貰える?」

俺は3人に対して頼み、了解した3人は部屋から出た。

「ちゃんと犯人を推理をしたいと思う」

残った人たちで推理をする提案をした。

俺、船長、金成、将軍、桂警部、豚先生の6人がラウンジにいる。

「豹変して僕たち全員を殺そうとした態度を見ても、将軍が一番怪しいのじゃないかな?」

船長は答える。

「その話はまた、将軍を暴れさせてしまう。暴れんなよ・・・」

桂警部は将軍に対して注意を向ける。

「大丈夫だ・・・何もいうまい・・・・」

将軍は大人しくするようだ。

「傭兵なんて殺人は手慣れたもんなんやろなー」

金成は将軍を煽るように答える。

「まだ疑いがあるだけで犯人ではない。外部に殺人鬼がいるのかもしれんし、将軍は頼りになるでしょう。反省しているようだし手錠を外してあげましょう」

豚先生は金成に対して毅然とした態度で答える。

「外部の殺人鬼から身を守るのに、将軍を頼りにする。手錠は外しおくので、もう暴れるんじゃないぞ」

桂警部は将軍の手錠を外した。

「助かったぜ」

将軍は自由の身になった。

しばらくすると、外から2人が走りながら帰ってきた。

「あるじざまがあああああ」

「はぁはぁじゃじゃけんけん」

二歩と竜馬の2人が慌てた様子だ。

「何があったんだ?」

将軍は尋ねた。

「王子はトイレの外で見張りをしてもらって、二歩と2人がトイレに行っていたら、王子が怪しい人影を見たと言い出して外に追いかけていったじゃけん」

「やはり、この中のだれかの犯行ではなく、殺人鬼がこの館に潜んでいたのかもしれない。王子は無事だといいが・・・」

俺はこの中に殺人鬼がいなかったことに安堵しつつも、なんとしても外にいる殺人鬼を捕まえなくてはならないと思った。

「外にいる殺人鬼を捕まてやる!俺様の出番だな!」

将軍は首や手をポキポキ鳴らして張り切っている。

「頼もしい限りだな。犯人確保のご協力をお願いします」

桂警部は将軍の肩を叩いた。

「おうよ!早く王子も見つけなくてはな!」

そして、外に殺人鬼と王子を探しに行こうとしていると、大きな爆発音がラウンジに鳴り響いた。漁船を置いてある方だ。

大雨と嵐の中で外に全員で向かうことにした。

船置き場に着くと、黒焦げになり破損した船と船上に立っている人影が見えた。

「僕の船があああああああああ!ローンがまだあるのにいいい」

船長が叫んだ。

大雨のお陰であまり火の手は上がらなかったようだ。

船に立っていた思えた人影を確認しに行く。

「あるじざまあああああ」

二歩が黒焦げの死体に近づく。

これは黒焦げになった王子の死体であろうと予想できる。

王子までが犠牲となったのだ。

犠牲に次ぐ犠牲の犠牲になったのだ。

これで4人の命まで奪われてしまった。

これで終わりにしろと神を恨むばかりだ。


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