明日の黒板

ぴおに

第1話夏男

もう、今日しかない。

今日やらないと、もうチャンスはない。

やるしかないんだ。



入学式の日、僕は少し早めに登校した。

クラス分けがもう張り出されていて、一人2階の教室から桜を眺めていた。

すると、桜の下に一人女の子が立っていた。

ふいに彼女が顔をあげ、目が合った。

ニコッと笑い、その唇が「おはよ」と動いた。

「おはよう…」



春子が好きだ。



その気持ちを、今日伝える。

今まで何度も伝えようとしたけど、出来なかった。

でも、もう明日はないんだ。

僕らは今日、卒業する。







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