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 新宿駅の外に出ると、真っ暗な空から雪が降り出してきた。

 早月と奏は二人並んで立って、その降り出したクリスマスイブの真っ白な雪を見つめた。

 ……早月はその降り出した雪を見て、なんだかとても悲しくなって、そのままその場で声もなく、静かに泣き出してしまった。

 隣にいる奏が黙ったまま、そっとハンカチを早月に差し出してくれた。

「……ありがとう」

 早月は奏のハンカチを受け取って涙を拭いた。

 それは、まるで今降り出した雪のように白い色をしたハンカチだった。


「私は、深田早月は、高田奏くんのことを本当に愛しています」

 それから早月は、ハンカチを奏に返して、姿勢を正して、しっかりと正面から奏のことを見つめて、そう愛の告白をした。

 早月からの突然の告白に奏は少し驚いた。

 二人は付き合い始めるとき、確かにお互いの愛を確認したのだけど、告白は奏のほうからしたもので、早月がこうして自分から、奏に愛の告白をしてくれることは、……二人が出会ってから初めてのことだった。

「僕も、高田奏も深田早月さんのことを本当に愛しています」

 奏は真剣な表情で早月にそう返事をした。

 すると早月はにっこりと笑って「ありがとう。……奏」と本当に嬉しそうな声で奏に言った。

 それから二人は手をつないで、新宿駅の近くをゆっくりと散歩し始めた。

 散歩をしながら、早月は陸のことを奏に話した。

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