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 真由子の告白を聞いて、柳田先生はひどく驚いた顔をした。

 でも、告白をした真由子のほうは自分でも少し驚いたくらいに冷静だった。

 ……告白も、言えないかもしれない、と直前まで思っていたのだけど、きちんと言うことができた。

 あとは柳田先生の答えを待つだけだった。

 柳田先生はしばらくの間、真由子の顔をじっと見つめていた。

 それで、柳田先生は真由子が冗談でこんなことを言っているのではないということを理解したようだった。

「小島さん」

「はい」真由子は言う。

「タバコを一本だけ吸ってもいいでしょうか?」柳田先生は言った。

 真由子は柳田先生がタバコを吸うことを知らなかったので、少し驚いてから「どうぞ」と柳田先生にそう言った。

「すみません」 

 柳田先生は真由子から少し離れると、そこでコートの内ポケットからタバコとライターを取り出して、口に加えたタバコにライターで火をつけた。

 真由子には、そのタバコがなんと言う名前のタバコなのかはわらかなかったのだけど、外装は白色だった。

 柳田先生は冬の夜空の下で、美味しそうにタバコを吸った。

「柳田先生。タバコ、吸われるんですね」と真由子は言った。

「はい。たまに」柳田先生は言う。

 柳田先生はコートのポケットから携帯用灰皿を取り出すと、何度かそこに灰を落としながら、数分をかけてタバコを一本吸い終わった。

 柳田先生は真由子の前に戻ってくると、そこからじっと真由子のことを見た。

 真由子は柳田先生の返事を待った。

 こうしてなにかを待つことは、小島真由子の得意技の一つだった。

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