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 その芽衣だけど、絵里が高校生になって一番、その生活が変わったところは芽衣と親友同士になったことだった。

 真冬との関係から絵里と芽衣の距離はずっと近くなった。

 絵里は芽衣と親友になり、もう一人、四ツ谷恵という女子生徒と一緒に三人で過ごすことが多くなった。

 絵里が高校で手に入れた新しい関係。

 早乙女芽衣は絵里が想像していた以上にすごく素敵な女性だった。

 方や絵里はずっと真冬との失恋を引きずったままだった。

 忍には冗談っぽい口調で「お前、まだ真冬とのこと、引きずってんのかよ? そういうの、すごいとは思うけどさ、執着しすぎじゃね?」と言われたりした。

「うん」と絵里は言った。

 確かに自分でも執着しすぎだと思った。


 それから一年がすぎて、絵里が高校二年生になった夏のある日、絵里は芽衣に屋上に呼びだされた。芽衣がそんなことをするのは珍しいことだったので、どうしたのだろう? と絵里は思ったのだけど、屋上に行くと絵里は芽衣から「ごめんなさい」と謝られた。

 そのときになって、ようやく絵里は、ああ真冬のことだ、と芽衣が絵里を呼び出した理由がわかった。

 親友の芽衣には絶対に自分の気持ちを隠し通さなくてはならないと思っていた絵里だったのだけど、絵里は相変わらず、高校生になっても、中学生のときと同じように嘘が下手なままだった。

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