卵 らん

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　それから絵里はみんなと一緒に中学を卒業して高校生になった。

　絵里たちの通っている学校は私立の中学校で、エスカレーター式にみんなが同じ系列の私立の高校に進学した。

　中学時代はなんとか乗り切ることができた。

　高校生になると、絵里は何人かの男子生徒から告白をされたが絵里は誰ともお付き合いをしなかった。

　絵里と真冬と忍の三人の関係はずっと同じように続いていた。

　いや、昔よりも距離が縮まったのかもしれない。

　それはみんなが中学生のころよりは少しだけ大人になったからかもしれない。

　少なくとも真冬と忍の見た目は随分と変わったし、絵里も結構、綺麗になった。（少し失礼な表現だけど）絵里のことを見違えたと言ってくれる人もいる。

　でも、一番外面的にも内面的に変わった、あるいは成長したのはきっと真冬だった。それは間違いなく早乙女芽衣との関係のおかげだった。

　中学のころは不釣り合いと言われていた二人の関係は今では全然、そんな風には見えなかったし、あるいは真冬と忍の関係においても、真冬はあまりいけていない組、忍はいけている組、のような周囲からの見方があったのだけど、今ではそんなことは全然なかった。

　ようは真冬はやっぱりいい男だったのだ。

　そんな真冬を好きになった芽衣と、……それから、絵里の男性を見る目は確かだったということになる。