嫌だなあ、断りたいなあ

第47話 レイプ未遂犯捕獲計画概要

 「あの~~~、度々たびたび、放置しないで下さい。」

 「ドロシー、ルイーズ、本当に受ける。」

 「私達も安心できないし。」

 「ゆたかがいない間、私達だけだし、不安材料をなくしたいなあ。」

 「僕はやっぱり嫌だなあ、・・・ラヴさん、高いですよ。」

 僕はホワイトボードに見積の表を表示する。


 「今回は、調査依頼とは違いますので、細かい見積は有りません、この仕事に対して料金設定します、良いですか。」

 「・・・お幾らですか。」


 「条件がまだあります、あっ、ルイーズ、契約書に反映しないといけないから、メモってね。」

 「は~い。」

 「私は。」

 「ドロシーは、僕がこれから話す事に矛盾がなか、実行不可能な事を言ってないか、よ~く聞いといて。」

 「あい。」


 「じゃあ、良いですかラヴさん。」「はい。」

 「まず、成功報酬以外は、先払いです。」「はい。」

 「木下探偵事務所が立てた計画に異議を申し立てない。」「はい。」

 「勘違かんちがいしないで下さい、質問や意見は聞きます。」「はい。」


 「何も根拠こんきょのないところに料金設定するのは苦手なので、ボードを見て下さい、二人も一旦いったん手を止めて見てくれる。」

 「「あい。」」

 僕は報告書を今一度表示する。


 「先ほどの報告書にあげた通り、おそらく犯人は駅周辺に現れる可能性が高い、しかも時間帯が限定されている、そして場所は、大きさに関係なく、木々の多い公園。」


 「私達が駅前をうろうろすればいいの。」

 「わっ、私もうろうろして良いかな。」

 「ダメですよ、来たら通報しますよ百合ゆりさんに。」

 「えーーーっ、酷い。」


 僕はGoodJob Earthに切り替える。

 「ここが駅、拡大すると、ほらここ。」

 「あんなところに公園、しかも小さい。」

 駅の北側の直ぐ近くに、民家に囲まれた小さい公園がある。

 地図上、駅からの直線距離を測定すると130mほどしかない。


 「ここ、大学からの帰りに行ってみたんだけど、公園の周りに木々がぐるりとあって、公園の中から民家が見えないんだ、公園から見えないと言う事は。」

 「「民家から見え難い。」」


 「そう、灯りは有るけど、すごく暗いんだ。」

 「でも、ここ被害出てないよ。」

 「そうだよ、こんな所、誰だって避ける。」

 「つまり、犯人側から見れば、人通りがなく好都合。」


 「その通り、ここが可能性大だと思う。」

 「ここで私達が待つの。」

 「被害に遭った子は皆一人だ。」

 「一人、怖いなあ。」

 「ほら、やっぱり止め。」

 「大丈夫だから、ゆたか。」


 「そう、・・・実施時間帯は、その日の日没時刻の前後60分、計120分、人数は公園内に1名、見張りに2名、これを連日休みなしで14日間行います、二人共どう思う、ラヴさんはどうです。」


 「おとりは、ぐっ、ちっ、ぱっ。」

 「え~~~っ、ルイーズ、ずっこするから嫌っ。」

 「交互こうごにしよう、ルイーズ。」


 「見張りはどうするんですか、犯人の目に触れない場所は無さそうですけど。」

 「僕は、ここ。」

 「道2つ先にまた公園がある。」


 「うん、でもここは周りに木々がなくて見通しが良いんだ、おとりの公園から距離は100mぐらいかな、で、ドロシーとルイーズは駅南側のスーパーで、ここなら常に人がいるから、一人でも大丈夫だと思う、距離は100、2、30mかな、連絡は怪しまれない様に、出来るだけ頻繁に。」

 「「あい。」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る