お茶会の話題

第23話 娘が欲しいぃ~、母さん。

 「里美さとみ、一つ聞いて良い。」「何でも聞いて。」

 「どうしてそんなに『娘』が欲しいの。」

 「私ね、娘とお話したり、お買い物したりするのが昔からの夢だったの、でも、生まれて来たのが男の子で、あっ、男の子がダメな訳じゃないのよ。」

 「それとこれは別、でも諦めきれないの。」


 母さんがスマホを操作し始めた。

 「・・・これを見てえぇ。」

 皆に見えるようにコタツの中央にスマホを差し出す。

 「「わぁ~、可愛いぃ~。」」

 「まあまあまあまあ。」

 「え~ぇ、誰この子可愛い。」


 「そうでしょうぅ~、これを見ると、諦める事が出来ないの。」

 「里美さとみママ、この女の子の赤ちゃんは何処の子。」

 「あそこのテーブルで羊羹ようかんを食べているわ。」母さんが僕を指さす。

 「「えーーーっ」」

 「まあーーー。」

 「うそぉーーーっ。」

 「でしょうぅ~~~。」

 何だかなあ、僕なんかした。


 「はあーっ、こぉ~んなに可愛かったのにね、こんな風になって行くの。」

 「「あぁーぁ。」」

 「男の子ねぇ。」

 「男の子に、なったのね。」

 「そうぅ~なの。」

 何だよ、皆して。


 「ドロシー、里美さとみに甘えさせてもらったらぁ。」

 「私でいいなら。」

 「ルイーズも、でも、我がままはだめだからね。」

 「はあ~い。」

 「二人共有難う。」

 僕が何をしたって言うのさ。


 「里美さとみ、こんなに可愛かったなら、二人の赤ちゃんは期待できそうね。」

 「マーガレットの言う通りだと思うわ、ルイーズもドロシーも可愛い子が期待できそう。」

 「そうなのかな。」

 「私に似たら、きっと可愛いわ。」


 「そうなると、生まれて来る子供の為にも収入がないとだめねぇ。」

 「ふん、確かに。」

 「御免なさい、家の息子に甲斐性かいしょうがなくて。」

 言い訳になるけど、まだ大学3年だしな、あーーー、嫁を貰ったからには何とかしないと。


 「出来るだけの事はするから、二人共何処にもいかないでぇ~。」

 「里美さとみママ、私はずっと一緒いるわゆたかの。」

 「私も離れないから、里美さとみママ安心して。」


 「ドロシーから聞いたわ、ゆたかは探偵なのね。」

 「私もルイーズから聞いた、どんな依頼を受けてるの。」

 「最近は全くないから困ってるんだけど、2年前に受けたのは、主に浮気調査、それから、あーーー、あっ、ペット探し、それぐらいですね。」


 「じみねえ~ぇ。」

 「殺人事件とかはないの、ワト何とか君とか、大林少年とか、探偵さー、とか。」

 「マーガレットさん、それは警察の仕事です、もしそんな依頼が来たら断ります、命あっての物だねですよ。」

 「まあーっ、そうなの、残念ね。」


 「浮気なんて、すうーぐわかっちゃうけどなあ。」

 「それはママとパパだけ。」

 「そんな事ないわ、ねっ、ドロシー。」

 「えっ、えっ、私、・・・るっ、ルイーズは分かる。」

 「えーっ、・・・まあ、ドロシーは分かる。」

 「ほらねぇ~。」

 「ドロシーは、浮気じゃない。」

 「でも、二人以外だあーって言うのも分かるでしょう。」

 「「うん。」」分かるんだあ~。


 「でもそれは、私達意外と分かるだけで、何処の誰かは分からいでしょう。」

 「あー、そうね。」「だからそれを調べるの。」「調べてどうするの。」

 「ママとパパ見たいに、他の人は浮気をネタにのろけたりしないの。」

 「えーっ、ママこの前のすっごく、怒ってるんですけどぉ~。」

 「怒ってる、ふ、り、でしょう。」「ちがいますぅ~、怒ってますぅ~。」

 「まあまあ、とにかくそんな感じなんですが、ここ2年ほど、どこも厳しいらしくて、僕にまで回してもらえないんです、僕、下請けなんで。」

 下請けは厳しいーーーっ。

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