私が死ぬ理由 私が生きる理由
@haaali
第1話 拒食
●散らかった部屋。乱れた髪。突き出た骨。
今すぐにでも、折れてしまいそうな細い彼女の体には、何個か痣がある。
寝てないせいか、濃い隈もある。それより、なぜ彼女はずっと一点だけを見つめているのだ。きっと彼女には何かがある。一体、私に何を隠しているのだろう。
○寂しい。
寂しい。寂しい。
寂しい。寂しい。寂しい。
痛い。痛い。
「あ。今日はチキンが食べたい。白いご飯を口いっぱいに含みたい。」
そう声にならない乾いた声でハリは言うよ。
ハリが考えることは、決まっていつも食べ物のことで、痩せるためだけに時間を使っているの。
最初は食事制限だけにしてた。一日三食で100キロカロリー。これ以上食べてしまった時は、次の日の食事は50キロカロリーまで。でも今は、何も食べていないよ。だって食べる事が怖くなってしまったから。食べてしまった時の罪悪感はとても怖いの。だから毎日、食べ物を見て、匂いを嗅いで、お腹いっぱいにさせるの。もちろん、それだけでお腹いっぱいにさせることなんてできないけど、自分に言い聞かせるの。ハリは今、お腹がいっぱいなんだって。
今日もハリは、ベッドの上で横になっているよ。動く事が大変になってっきたの。体重は前に量った時、確か35キロだったかな。生理ももう止まってるよ。でも、私はまだできる、もう少し、もう少しってまた自分に言い聞かせるよ。鏡に映る私の姿が、前より細くなっていたら、好きな人に「細いから、もっと食べて」って言って欲しいから頑張れる。
●私と彼女が出会ったのは
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