難破して大海に漂う僕は人魚に殺される
Aira
どうせ叩かれるから読まなくてもいいよ
プロローグ
あらすじを読んでくれた君ならきっと説明するまでもあるまい!
なに?読んでない?じゃあ今すぐケツまで読んできな!
なんてことは言いませんごめんなさい。
ざっくり言う。
俺は海の上にたった一人投げ出され遭難した!相棒は誰かの薄汚れたスーツケース1つ……なんて頼りないんだ!
俺は即座に絶望した!
いや、すまないスーツケース。悪気はない。本当は感謝してるんだ。君がいなければきっと俺は死んでいたから。
え?そんな状況下よくお前は生き残れたな、運良く救助に発見されたのか?……だって?
アホ言え、んなわけあるかい!俺は人間が大嫌いだ!人を助けたこともなければ、人に助けられたこともない!……なに?そこまでのクズがよくいたもんだ、だって?
いいだろう君が信用できぬと言うなら、我が恐るべき座右の銘をここに披露しよう。
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ枕元でFPSのVC暴言厨を演じ(演じるだけでゲームをやるとは言っていない)
西ニツカレタ母アレバ
行ッテ皿洗い、洗濯、掃除……つまり面倒なあらゆる家事、さらに長時間のパートを背負わせ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテ「はよ寝《イ》ね!」などの罵詈雑言の嵐を臨終の瞬間まで浴びせ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラ全員逝けやああああと言う
………。君はドン引きしたことだろう。しかし、それが俺だ!よく理解してくれたようで嬉しい。
(賢治はいいぞ!俺のオススメはセロ弾きのゴーシュだ!(マジで)
銀河鉄道の夜がいまいち馴染めなかった君でもきっと気にいるはずだ!)
……おい、話が脱線しすぎて全くざっくりしねえじゃねぇか!あらすじ読んだ方が早いわ!いや、俺を止めない君が悪い。
……すまない。取り乱した。話を戻そう。
はっきり言おう。俺は人魚に助けられた。それも超絶美少女の!
……そんな目で見るな。ほんとなんだから。君がもし、彼女を一目でも見ることがあれば、俺が羨ましすぎるあまり思わず憤死するに違いない!
「おーい。ボクのマーメイドちゃん。ちょっとここへ来てみんなに姿を見せてやりなさい。エ、ナニ?恥ずかしい?そうか、それならしょうがない」
どうやら君達は憤死せずにすんだようだぞ!良かったな!
……キミィ……、思いのほか察しがいいじゃないか。そう、俺は今彼女と同棲している!羨しかろう?
そんな彼女との出会いだが、それはもう酷いものだった。しかし、過去となった今では思い出すたびニンマリとせずにはいられない。
だってまるで物語の主人公のような出会いだったんだから。
「ねえ、あなたを食べてもいい?」
それが彼女の第一声だった。でもその声色はあまりに心地良くて……かの傑作映画に出てくるジョーズの姿がもし彼女のようだったなら。きっと喜んで皆海に殺到し、自ら命を差し出した事と思う。
上の話だがこれはジョークではない(ジョーズだけに)。正常で健康な明日を約束された人間でも自ら彼女による死を思わず選んでしまう可能性が、価値が、彼女にはあるのだ。
たった一人で大海原の波に揺られ数時間、死にゆく運命にあると悟っていた当時の俺が彼女に食べられることを拒む理由はなにもなかった。
しかし、俺は彼女に頼んだ。少し待ってくれ、ちょっとの間だけ俺の話し相手になってくれないか?って。
きっと寂しかったのだと思う。あまりに人が嫌いだったから。理由はない。生まれつき嫌いだった。そうなる運命だった。
だから、人間ではないが人語を操る彼女に、僕は惹かれてしまったのかもしれない。
……。
これは、僕が一度死んで、そして生まれ変わる物語である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
白鯨っぽい面白さを出そうとする実験作です。いい感じのウザ、だがなんか笑えるキャラに仕上がってればいいんですが……。
スマホ太郎創作の片手間に書いていきます。
知らない人はぜひ読んでネ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます