蒼の記憶

@ayushio

プロローグ

雪が、降り続いている。

鋭敏な五感は先程から鉄の匂いと鮮やかな赤を主張し続ける。

仕切りに声をかけるが既に自分が何を言っているかすらも分からない。

熱が失われる中、腕の中の彼女はそれでも笑っていて――

雪は、降り止まない。

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