　化学反応によって水になった俺。

　こうなってしまったのは不本意だが、近くに酸素でもあるのは精神的にありがたいものだ。

　水素だけど。

　それに、俺が引き寄せられた惑星は表面温度が氷点下を下回っているため、氷になった。

　氷は水分子同士が水素結合によって結びついているため、酸素と結合している以外にも電気的な結び付きが身体にかかる。

　そんなに痛いというわけではないが、違和感を感じるのは確かだ。

　それに氷の状態だと、宇宙空間ほど冷えてなくて良い。

　ちなみに宇宙の温度はおおよそ3K（ケルビン）である。

　住めば都ということわざの通り、割と快適な時間を過ごしていた。

　水素だから動けないけど。

　そのまましばらくの間、ぐうたらを続けていた。

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