化合!?

 どれほど時がたっただろうか。


 原子として、人生を何万回も繰り返せるほどの時間を過ごしたと思う。


 ここまでくると精神が崩壊していてもおかしくはないが、時間感覚が狂っているおかげでそんなことは起こっていなかった。


 ほとんど気絶に近い状態で幾年を過ごしていると、いつぞやの感覚が身体にかかる。


『一体なんだ?』


 見てみると、原始星が眼前に広がってた。


 今度はガス状の円盤の中にいくつか塊があるのが分かる。


 おそらく微惑星だろう。


 そのうちの一つにゆっくりと引き寄せられていく。


 惑星の一つに近づいたとき、偶然にも近くに俺以外の水素と酸素があり、さらに高温高圧の環境によって化学反応が起こった。


『身体が…千切れそう…!』


 こうして俺は水へと変化した。

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