わわわわわわ~~~~~~~~~二人共喧嘩しないで落ち着きましょうよ~~~~~~~~
樹によって気絶させられた乃希亜は俺達二人の監視の元、何もしないまま起きるまで見張っている。ただ樹は、事情を聴くまで縛れと頑なに主張しているが、実のところすごく迷ってる。俺の彼女が率先して俺を陥れることはしないはず。なにか理由があると俺はそれを願ってる。
その時気絶していた乃希亜の眉がピクリと動かしており、まもなく目を覚めるようだ。
俺は気が緩んだ顔を締め、樹同様に真面目な顔つきに変化させる。
「ん~~~~~・・・・・・・・・・・・ミヤ?」
「やっと起きたか乃希亜」
「ん・・・・・・・・・・オレは今までなにして?・・・・・・・!!!!」
周囲を見渡し、俺と樹の険しい顔を見るとビクッと震わしながらすべてを理解したようだ。
乃希亜がこの事件の犯人だとしてもなにか裏があるはずだ。感情を抑え乃希亜に質問する。
「いきなりで悪いが、一連の犯人はお前でいいんだよな?」
「ああ・・・・・・・・すべてオレがやった・・・・・・」
「クソ!!!!」ガン!!!
言い訳するかと思ったらアッサリと静かな雰囲気で白状した。隣の樹は俺の心情を代弁するかのように壁を強く叩いていた。
その衝撃のせいか後ろめたさか分からないが、乃希亜は樹の壁ドンでさえ震わして目を逸らしていた。
それほど今の乃希亜には今までの覇気の欠片もなかった。まるで内なる闇を抱えてるような。
「なぜそんな事をしたんだ?俺はお前の事を愛してるのに・・・・・」
「愛してる?よく言うぜ・・・・・隠し事してるやつに言われたくねぇよ」
隠し事?何を言ってるんだ?まったくわけが分からない。
「!!!!!」
そう思うと乃希亜は嘘はイケないと言わんばかりに目のハイライトを消し、先ほどの黒髪の女のような陰気な雰囲気を漂わせこちらを睨んでいた。
今まで乃希亜に何度か怒鳴れたことはあったがこれほどの陰気さは初めてだ。
まるで・・・・・
「乃希亜?なんで・・・・・・怒ってるんだ?」
「お前さ・・・・・・前に『俺が愛してるのは、世界で一人お前しかいないだろ』って言ってたよな?でも、お前には過去に女がいて、まだ別れてないって事は知ってるんだよ!!!だってお前が沖を応援してる時に泊まった宿泊施設の近くの公園にオレはいたんだからな!!!」
「!!!!!」
「は?どういうことだよみゃこ?まったく訳が分からんぞ」
なんだって・・・・あの時の市葉とのやりとり乃希亜に聞かれたのか・・・・・
アレは市葉の馬鹿が勝手に未練垂れてるだけで俺には関係ない。
乃希亜はただ勘違いしてるだけなんだ。
「おい、聞けよあの時は・・・・」
「うるせぇ!!!!!確かにオレはは人助けやバイトの為なら他の女と関わることに多少の事は目をつぶるとは言った。けどな、オレと付き合う前に女がいることなんて聞いてねえぞ!!!!やっと本性現したな。エロゲでも現実ども女をタラシまくってヌきまくってる発情サル野郎が」
何言ってんだこいつ。勘違いしてる上に暴言の嵐だと・・・・・・・・今まで仕立てに出てりゃ調子のいい事言いやがって。いくら戦闘力SSSの怪力元ヤンキーでも許すことは出来ねぇぞ。
ひるむことなく乃希亜の胸倉に掴み、それと同時に乃希亜も俺の胸倉に掴もうとする。
「じゃあお前は、そんなくだらねぇことで俺の私生活を邪魔してたってのか?こっちはお前のせいで数日間まともに寝れなかったんだぞ」
「寝れないってどういうことだよ。こっちはあ・・・・・・・あ・・・ああ・・・」
「あ?なにどもってんだよ?言いたいことがあればちゃんと言えよ」
「あ・・・・・愛情表現でやってんのに。なに被害者面してんだコラァ!!!」
逆キレに加えなぜか顔を赤くなり、なぜか焦らす出しており、こっちを睨めつけながらそう強く訴えてきた。もうなにがなんだか全く分からない。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ふざけてんのかお前!!!」
「ふざけてねぇよ!!!は・・・・・・・・花沢が言ったんだよ。ほら、世間ではヤンデレという愛情表現があるんだろ?」
「へ?」
ヤンデレ・・・・・・・愛情表現?
何のことだ全く理解が出来ん。一体ざーさんはなにを教えたんだ?と思った時、樹は思い出したと言わんばかりに右手を左手のひらに打ち付けた。
「思い出した。九頭竜が装ったキャラって数年前に流行っやヤンデレゲーの『ヤンデレOLお姉さんハーレムに囲まれて俺、さん・・・・退出!!!!』のヒロインの一人じゃねぇか!!!
なんなんだ?その企画ものAVかスプラッター系かコメディ系か分からないタイトルは?
後タイトル的におもっくそ電王をパロってるよな?
俺はまだしもグロ系エロゲに詳しい樹がなかなか思い出せないあたり相当マイナーなエロゲじゃねーか。
というかなぜざーさんはそれを知ってんの?エロゲハマって5か月で俺らよりもベテランレベルに成長してるじゃん。
いや、そんなことよりも乃希亜の事が先決だ。あいつには言いたいことをすべて言わないと気が収まらない。
「ともかく、乃希亜いい加減にしてくれ。お前がやってることは犯罪行為だぞ。ちゃんと自覚してんのか?」
「・・・・・・いい」
「いい?なにがいいんだよ?そんな事やっていい事ないだろ?俺が一番怒ってる理由を教えてやろうか?知らないエロゲとはいえ、大好きなエロゲで俺に嫌がらせすんのはやめろよ!!!!お前また、不良の道に戻りたいのか?
「もういい!!!!」
「!!!!おい、乃希亜・・・・」
樹の話を聞いて油断してる間に、乃希亜の力によって腕が払われ、二、三歩後ずさりし拒絶した顔でこっちを睨む。
「望み通りオレは元の九頭竜乃希亜に戻ってやるよ。けどなこっちも言わしてもらうぞ。今大好きなエロゲって言ったよな?結局お前も今カノよりエロゲを優先して昔と変わらないじゃねぇか!!!」
「ちょっと待て・・・・・・これは・・・・」
「聞きたくねぇ!!!!結局はお前もあいつと一緒だったんだな・・・・」
「乃希亜!!!!!!!」
最後の意味深の言葉を残し乃希亜は、俺の呼び止めを逃げるかのように全力で家を飛び出しこの大雨の中消えていった。
一瞬だったがあいつの表情は悲しみを浮かべ目から涙腺が流れており、そのせいかさっきまでの乃希亜の苛立ちが消え失せ代わりに別の方向に怒りを向けた。
あいつめ、一体なにを吹き込みやがったんだ?
「樹!!!!!!」
「ひぃ~~~~~悪かった悪かった。また俺、ヘマしてしまった。代わりに思いっきり殴れ!!!ソフトめに!!!!!」
「違げぇよドM!!!!お前に一つ頼みたいことがある」
「へ?」
覚悟しろよあの下種野郎!!必ずとっ捕まえてやる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます