楽曲作りなんてそう簡単に出来ないものですね

それからというものも寧々の自宅で夜遅くまで楽曲の手伝いをしたものの事あるごとに没にされ結局この日はなにも進展なくそのまま中断し、俺は客室用の部屋で休養することにした。てか・・・・よくよく考えれば俺音楽というものは疎いのになんでこういうことしなければいけないんだ?てか。それってそもそもマネージャの仕事なのか・・・・今はどうでもいいか。とりあえず今日は寝床についた。






「zzz・・・・・・」

『ピ・・・・・ピ・・・・・ピ・・・・・ピーン・マキシマムドライブ!!!・・・マキシマムドライブ!!!マキシマムドライブ!!マキシマムドライブ!!!マキシマムドライブ!!!マキシマムドライブ!!!マキシマムドライブ!!!』

「うぉ。なんだ!!」

突然のアラーム音で目覚める。なんだこれ・・・・耳の中でガンガン響く・・・・そう夢中で音が出てるであろう目覚ましを止める。

そのすごい音量なので寧々がすでに着替えた姿で客室用の部屋に入る。


「あら、ようやく起きたようね」

「寧々、アンタがやったのか・・・・」

「貴方今何時だと思ってるのもう8時なのよ。昨日その時間に起きるよう言ったはずよ」

え・・・・・そうだっけ・・・・・確かそんなこと言ってたような・・・・

疲れがピークに入ったから忘れたわ。






「すまん・・・・・・いやいや、それよりも、なんだよさっきの馬鹿でかい目覚ましは・・・・いやそれ以前になんでツインマキシマムの待機音なんだよ」

「もしかして不安だったのかしら。ちなみにわたしの目覚まし音は『疾風のアクセル』よ!!その方が良かった」

「どっちでもいいわ」

そんな自慢気に言わないでくれ。おおよそ予想はついてるから






その後俺は顔を洗い、昨日のスーツは洗っているので事務所から支給してきた服が今朝届いたのでありがたく着ることにする。

衣類はすべてU〇IQLO一色で、服のセンスは、俺的にはイマイチだがこれで我慢することにした。





そしてそのままメモ帳を用意し下に降り、彼女に案内される。

行く先々で寧々から話を聞くと、今朝早く起きあがり早朝から軽くストレッチをした後にランニングしたようで、さらに自室で発声練習もしてたらしい。

どんだけ努力家なんだよ・・・・・





しばらくするとその喫茶店についており、そこはどうやら寧々の行きつけらしく、店に入ると、80年代のジャズとオシャレな店内なのだが、一つ気がかりなのは完全な洋風なのを対し、風変わりな生け花がカウンターの前に置かれているのが気になっていた。

その件については寧々に席に着く前に説明される。





「どうやらそれが気になるようね?実はここのマスターもわたしの祖母の教え子なのよ」

「教え子?」

「ええ、祖母は、生け花の先生で、昨日あのマンションのエレベーターを見て分かると思うけど、昨日のマンションのオーナーとここのマスター・・・・・あ当地の事務所の社長もここのお弟子さんよ」

「へぇ・・・」

そして席に座ると先ほど話題になったマスターが注文を受けようとする。





「そうでございます。二人共ご注文は?」

「いつもで、貴方は?」

「俺もそれで・・・」

「かしこまいりました」

注文を受けしばらくするとごきげんな朝食セットを出されていた。どうやらこれが寧々のほぼ朝の朝食メニューのようらしい。

俺達はさっそくその朝食を食べた後さっそく昨日の続きの楽曲作りに専念する。




「あ、いらっしゃい」

夏休みであってか朝にも関わらず結構お客さんが来てるようでにぎやかになっていた。

寧々はそれを気にせずに黙々と考えていた。俺達の席は一番の奥で周りの客の見えない位置におり、彼女は念のためにマスクとサングラスをしていた。

寧々は自分の知名度はそれほど有名ないと言ってたがそれでも、この喫茶店はすでにファンのいきつけとしてネットに広まっていて静かに過ごすように影をひそめているようだ。

まぁ人気者というのはそういうものだよな。うちだって姉ちゃんがモデルというだけで、結構話しかけるのが多くてウザいからな。


それはそうと、現在楽曲制作の基盤となる歌詞を考えるのだが現在昼前に入ってもなかなか案が浮かばなかった。




「ダメね・・・・・なかなか思いつかないわ」

「なぁ・・・他の人には協力はしないのか?」

「こういうのは大勢にやると意見が分かれて要らない情報が入って余計な時間を生むのよ」

「そうは言ってもな・・・俺なんかより、同級生の友達とかを呼んだら・・・・・・」(察し)

「なに、その察した顔は、ええそうよ。私は友達がいないのよ。なにが悪い?」

なにも言ってないんだけど、それほど睨むほどか?




「そんなもの作ってふざけた遊びをするより自分の技術を磨いた方がマシよ」

「なら、こっちが助っ人呼んでもいいか?」

「まぁいいわ。ただしこっちは休日でも忙しいから一時間だけ付き合ってあげるわ」

言い方には文句ありありだが、このままでは埒があかないから同年代の助っ人を呼ぶことにする。









・・・・・・・・・・・・・・・

呼び出して数時間後、ようやく喫茶店前に来る。そう助っ人に来たのはざーさんと涼浦だ。






「お待たせーーーーーーー大河君久しぶり」

「大河、アンタ急に連絡くるなし、こっちだって色々ようがあんだけど・・・」

「用があるなら来るな・・・」

「はぁ・・・・こっちは別に来たくないけど・・・・」

「静かにしろ。本人がいるんだから」ボソ

「うっさいし!!!さっさとうっとおしい手を離して案内するし。ところでここまでの交通費すべて払ってくれんよね?」

「さぁ、乱〇パーティーの始まりですかね?グヘヘヘヘヘヘヘ」









・・・・・・人選間違えたか・・・・自分の選択に後悔を覚えてしまった。


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