早朝ドッキリの時間です

親父との話をつけ、俺は、一度神代家に戻り報告をする。まず、酔っ払いの姉ちゃんに抱き着かれるのは当然の事だったが、叔父さんも叔母さんも、親父とどんな話をしたか心配そうな顔をしていたのだがさすがに、親父の秘密について話すのは、親父が可哀想になるので、とりあえず、乃希亜と別れろと言われ、必死に説得しなんおか許しを得たという、7割本当の話をすることでごまかすことができた。

その後は、卓に戻り喋りながら食事を初めたりして時間を潰すことにして帰ることにしたのだが生憎姉ちゃんは、親父との喧嘩で酒を飲み過ぎ泥酔していて動くことが出来なく、その為叔父さんから送ってあげるという選択もあったがさすがに気持ちよく寝ている姉を起こしたくなかったのでこのまま寝かせ、明日の早朝帰ること決めたのだ。


そして俺は風呂に入った後、昔、宗介や神代兄弟とお泊り会でなんども利用した客室用の寝室を使い一泊することにした。

寝心地は愛用の枕がなく寝ずらいが昔のような楽しく無邪気な思い出を振り返ることでなんとか寝ることができた。









~~~~~~~~~~~~~

「zz・・・・・・・・」

ドカッ




痛っ!!!寝ている最中俺は目を覚め、ふと目を開ける・・・・・

周囲を見渡すとまだ薄暗く部屋の外にはフクロウの鳴き声が静寂に聞こえ、時計がなくても早朝だと認識することができ、なにより頭部に突き刺さる痛みが走りその方向を見ると魁里が懐中電灯を散らかせながらいたずらっ子のような笑みをしながら見下していた。どうやらこいつが俺を蹴ったのが明白だ。




「おはようございます。都クン。いつまでも寝てないでさっさと起きてください」

「あ・・・・・何言ってんだ。え~~~~~~と時間は・・・・・・って四時前じゃねーーーーーーーーーか」

「そんなのいいですから、魁里ちゃんの借りを返してください」

「ちっ・・・・・分かったよ」

本当は行きたくないが昨日こいつに借りを作ったので仕方なく動くことにした。

一体こいつは俺になにをさせたいんだ?









魁里に無理に起こされ俺は一緒にでる。外に出ると早朝であってか都心の夏にも関わらず涼しく、少し肌寒い感じだがそれでも気持ち良い朝を迎えることができた。




魁里に無言のまま連れられ、向かった先は、宗介の家だった。




「おい、なんで朝っぱらからこんな所に来なければいけないんだ」

「宗介先輩とは親友と思ってたのに、意外と冷たいんですね」

「そうじゃない。時間帯を考えろよ。この時間帯普通に寝てるだろ」

「ですね。だけどこの時間帯でなければならないんです。なぜならこれから愛しの宗介先輩に寝起きドッキリをしたいと思います。ほら、拍手」パチパチパチパチ

「・・・・・・・・」

「反応が薄いですね。なにか問題でも?」

「当たり前だ。誰がこんな下らねぇこと一緒にやらなきゃいけないんだよ」

「それは、ですね宗介先輩の事を知る為に、好みのものを漁り、ついでに宗介先輩の顔を・・・・・・もうそれ以上言えないです」

顔を赤くして俯いてるところ悪いがそれ以上ってなんだ!?お前は一体なにをするつもりなんだ。それを詳しく聞かせてくれ。






「もうじれったいですね。それではレッツラゴーです」

「おい、」

たく、あほらしくてかける言葉なんてないわ。大体この時間帯普通に宗介の両親寝てるしそんなこと許すわけ・・・・・



そう思った瞬間玄関から明かりがつき扉を開けると、美人の宗介の母さんが出て来た。久々に見たけど高校生の息子を持った母親と思えないくらい若々しいな。

彼女はなぜか俺達を見ると怒るどころかなぜか笑っていた。



「あら、魁里ちゃんいらっしゃい。うちの息子まだ寝てるわよ・・・・それと都ちゃん久しぶり随分と大きくなって・・・・うちの息子がお世話になってます。どうぞ入ってね・・・」

「ほら、入れました」

「なんですとーーーーーーー」

なぜか家に上がることが出来た。聞くところによると魁里の母親である叔母さんと宗介の母さんは幼馴染でとても仲が良く、魁里もそのつながりで馬があうようで、彼女の正確も女子高生くらいの軽めなノリの性格の為に魁里から事前に早朝訪問して、宗介を驚かそうと聞くと快く受け入れたらしい。

宗介も口では雰囲気的には母親のそういう性格に振り回されて苦労しているが、そこが良いところと言ってくれたようだ。





ともかく、宗介の母さんによって家に入り『ごゆっくり~~~』と言われ中に入ったのだが、幸いにも宗介の父親は出張中の為に家にいなく、現に寝ているのは宗介本人だけのようだがそれでも宗介に迷惑をかけないようなるべく音を立てずにあいつの部屋の前に立ちゆっくりとドアを開けて周囲を確認する。




「失礼しまーす」

「zz・・・・・」

部屋に入ると、案の定宗介が寝ていてそれを確認すると忍者の如く忍び込んだ。

はぁ・・・・俺何やってんだ・・・・・




「侵入成功ですね・・・・」

「お前もし宗介になにかしたら全力で止めるからな・・・」

「分かってますよーーーー」

うん。分かってないな。せめて声のトーンを下げろ。





「ではでは、まずは寝ている宗介先輩の寝顔を見ましょう。うわぁ相変わらず女の子みたいな綺麗な顔ですね」

「zzz~~~~~」

「確かにな・・・」

宗介の寝顔は完全にギャルゲのメインヒロインと思えるくらい小さな鼻息をしながら静かに眠っていた。

まぁ色気はあるがもう見慣れたのでどうでもいいけどな。






「都クン、添い寝してもいいですか?」

「絶対にするな」

「はいはい」

俺は魁里を厳重注意をし、さらに部屋の内を散策するとなにも見つからないのでPCに目をつけ、なにか手掛かりがないかと俺にパスワードの解読を頼まれた。



「いいからやってください。このままでは引き下がりません」

「しょうがない・・・・」

渋々俺は宗介のPCにパスワードを入れる。まぁパスワードは生年月日というセキュリティガバガバのパスワードだったから容易に開くことができ、適当に画像などを漁った。




魁里は、エッチな画像や好みの女性についての情報があるのではと期待していたが、残念ながら俺は宗介の好み等は知っているので、言っても分からないやつなのでじかに見せて認めさせることにした。





「ほらよ・・・・これが宗介の好きなものだ・・・」

「なになに・・・・げ・・・え~~~~~~と『Hなお姉ちゃんと温泉旅行』に『実姉無双』に『君の姉の惚れている』・・・・」


それを見た途端魁里は青ざめていた。それもそのはず俺が見せたのはそのフォルダにあるエロゲのデータなのだが、宗介が俺や樹に借りて利用した者は殆ど姉物のエロゲだった。

というもの宗介はハードなものは敬遠していたのでどの作品も中途半端な段階までしかやってないようだ。





「こ・・・・・こんなことありません。なんで、イケメンで美しい宗介先輩がこんな下劣なものを・・・もしかして都クン貴方が薦めたんですね。では、お覚悟を・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魁里は完全に俺を敵意むき出しに、部屋にある宗介の竹刀を抜き取り完全に戦闘態勢に入っていた。



「おい、待てそんなに騒ぐと宗介が・・・」

「ん・・・・・なに・・・」

ほら見ろ・・・・完全に起きたじゃないか・・・




「んにゃ・・・・・都に魁里ちゃん・・・・・・・ってなんで二人共なんでこんな所にいるの・・・・・」

「ごめんなさい。宗介先輩、実は都クンが突然ホモに目覚めて早朝勝手に家に忍び込んで宗介先輩のパンツを匂っていました。私も必死に来て止めようとしたら竹刀を持って襲ってきたんですぅ。どうにかしてください」スッ

あっ・・・・・こいつ汚ねぇ・・・・さりげなく握った竹刀を俺ににぎらしやがった・・・・





「魁里ちゃん嘘が見え見えだよ・・・・」

「な・・・・・なんのことですか・・・」

「そういうことする子は嫌いだよ」

「ガーン・・・・・・・都クンのせいですーーーーーーーーー」バタバタ

魁里は泣きながら大きな音を立てて玄関に降り全速力で立ち去っていた。

完全にはた迷惑なやつだ。






そして部屋には俺と宗介が残りPCが起動していたのも気づいた。






「都まさか、勝手に開いたの・・・」

「すまん・・・・」

「いいよ・・・・・けどいい加減に都も大人なんだから魁里ちゃんを思いっきり甘やかすのはどうかと思うよ」

「あいつがそれで言う事聞くと思うか・・・」

「聞くよ。魁里ちゃんは本当は都が大好きなんだからその分からかってるだけだからさ・・・それに加えて都は今彼女がいるから嫉妬してるからなおさらだよ」

お前はお前であれだけ魁里にアプローチされて気づかないなんてすっごい鈍感だな。





「まぁ都の場合は最初は、魁里ちゃんのお姉ちゃんが好きだったから切り替えがいいよね・・・」

ドキッ




「止めろよ。そんな昔の事・・・・・今はあいつのことなんてなんとも思ってないよ。それに好きと言っても友人としての好きだよ」

「はいはいそう言う事にしとくよ・・・」

なんかいい負かされている感じでスッキリしないな。






「迷惑かけてすまんな・・・・・帰るから寝なおせよ」

「いや、インハイ近いから僕もう起きるよ・・・・一緒にランニングしようよ」

「悪いな。俺はお前と違ってインドア派だから断るぜ」

「そっか・・・・残念だな」

俺は宗介の部屋を元ある場所に整理し、部屋を出る際に一言聞きたいことを呟くことにした。




「ところでさお前・・・・姉ちゃんの事今でも好きなのか・・・・」

「さぁ・・・どうかな」

うまくはぐらかされた。

たぶんあいつの気持ちは今も変わらないだろうな。

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