説得するしかありません
樹と和解したところで話は戻り、九頭竜は俺が謹慎になった間の学校での状況を語った。
どうやら俺の予想通り、ざーさんと涼浦はあの日以来完全に仲違いしており、その日の影響であったか元々元気が取り柄のざーさんもすっかり生気を失い、現在は、同じくグループを抜けた那智田と共に九頭竜と仲が良かったオタク女子グループに状況を説明し一時的に仲間に入ったのだ。
雰囲気も変わり完全な陰キャラになり、その状況におかしく感じたか涼浦と同じグループのリア充ギャルが平然と話しかけてもざーさんは無視をしており、その女子らは、なにがなんだか分からない表情をしてたようで、どうやら涼浦と立野は、このことについては他のグループ内には事情を説明してないようだ。
まぁその方が逆に助かるけどな・・・・騒ぎを無理に大きくするとそのグループの一人が付け上がり下手するとざーさんがいじめに標的になる可能性があるから、そうなると涼浦と立野はその加害者の一人になり、自滅するかもしれないからなるべく穏便な処置をしたのだろう。
まぁ仮にいじめとかが起こったとしても、九頭竜が、徹底的にマークしてるから心配はないだろう。
それで、俺達はどうやって二人を和解しょうとするか理論していた。
「やっぱり、美国さんに相談すればいいんじゃないかな・・・・」
「ああ、それは俺も思ってた。鈴浦はお前の姉ちゃんと仲いいから、ガツンといえばいいんじゃないか?」
「けど、それだと結局・・・・ざーさんに飛び火になるし、それに無理に和解しようとしても長くは続かないから、問題は、涼浦がざーさんの趣味を認めるしか方法はないと思う・・・」
「あ?じゃあてめぇの出番じゃねぇか木野原!!!確か、大河の姉ちゃんは公方寧々とドラマで共演するから、それを便乗してお前の持ってる公方寧々のCDグッズをあるだけあいつに渡せば、涼浦も公方寧々にハマるんじゃねぇか!!!それで晴れて、涼浦は、花沢の同類になるはずだ・・・・オラ明日中に持って来いよ。でなければ袋な!!!」
「それでただの恐喝だろ!!!そんなくだらないことで俺の寧々様は渡さないからな・・・・」
そもそもお前の寧々様じゃないし・・・・・というか、松村さんに相談すれば、寧々のグッズの在庫はあるはずだろう・・・
それに・・・
「落ち着け九頭竜。そんなことしても、現実的に涼浦が、ハマる可能性は皆無だぞ。それに忘れがちだが、その理論だと涼浦をドルオタになるだけで根本的な解決にならないだろ。どうした九頭竜?お前らしくない考察だぞ・・・・」
「くそがっ!!!てめぇがいるせいで調子が狂うじゃねぇかクソ木野原!!!」
「なんでもかんでも俺のせいにするのは止めてくれませんかねぇ!!!」
「じゃあ宗介、お前の意見はあるか?」
「うん・・・・僕は、まずは、お互いの心情がどうなのかなと知ってから作戦を練ることにするしかないかな?この前ざーさんと話したいけど、もしこのまま涼浦さんと仲違いするのならエロゲ趣味を捨ててでも改めて涼浦さんと話をするしかないと考えてたらしいよ」
「それしかないな・・・・ざーさんには悪いけど」
二次元を捨てるか・・・・確かにそれは良作だと思うけどそれだと、余計に自分が疲れる苦しい目にあうはずだ・・・・・
いや、これが本来の花沢咲那のあるべき姿だけど・・・・・俺的には、なんだか心残りにしかならない。
あいつは、元気いっぱいで下ネタもエロ本も・・・・・・そしてエロゲが好きであって欲しいんだ・・・・
「いや・・・・それは止めた方がいい。・・・・・やっぱり涼浦を説得するしかない・・・・」
「そうか・・・・・・それが聞きたかった。その答えが出れば隠す必要はねぇな・・・」
九頭竜はなにかスッキリした顔つきをしていて、静かに情報を話す。
その九頭竜の情報によると、九頭竜の元にとある人物からメールが定期的にきており、内容は、あの事件以降の涼浦の日常風景を写真付きで、送ったきたそうだ。
九頭竜も最初は気味悪がっていたが、そのメールに賭けるしかないようだ。
その人物について九頭竜は、教えるつもりはなく、そのメールの主から、『涼浦銀華をリスクなしで説得する』という条件を満たしてから語れと記載されたようだ。
まったくどこの誰かは知らないがめんどくさい事を考えやがって・・・・・
分かった。言う通りこなしてやるよ。
そして九頭竜はその情報を俺らにありがままに話、俺はどうやって涼浦を説得するか脳裏でパズルをくみ上げ、九頭竜たちと話をすることでとりあえずの作戦を練ることができた。その後、九頭竜達はこの場を後にしその入り違いに姉ちゃんが帰ってきた。
「ただいま~~~~~おい都、さっきチンピラ女と樹と宗介が帰った時に見かけたぞ~~~~~宗助は最近電話ばっかりで久々に見たけど相変わらず私の顔を見ると変なリアクションをするな~~~~~毎回思うけどなんであいつはああなんだよ・・・・・・あ・・・・・・それはさておきあのチンピラ女!!!誰の許可を得て人の家に入ろうとしたんだ!!!彼女だからって図々しすぎるだろ!!!絶対に弟のハジメテは渡さんぞ!!!って、都聞いてるのか~~~~~~今お姉ちゃんふしだらな事言ったから思いっきりツッコんでくれよ~~~~」
玄関越しの姉ちゃんの声をあえて聞き流し、俺はとある人物に電話を入れる。
『もしもし~~~~~~あっやっぱり都クンですか~~~~~珍しいですね。こっちから電話をかけてくるなんて・・・・・・フフフフフフフフフフ聞きましたよ~~~~都クン謹慎になったんですね~~~~~~ざまーみろデス☆』
相変わらずの煽り文句、イラッとくるな・・・・・落ち着け・・・・そんな挑発に乗るより本題に入るぞ・・・・・
「お前に頼みたいことがあるんだ・・・・・」
「はい?」
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