クリスマス特別編 16回目のプレゼント

それは高校一年の12月の中旬、16回目のクリスマスが始まる数日前の事だ。

いつものように姉と汚いリビングで夕食を食べる時姉に話しかけられる。


「なぁ、都、お前今年のクリスマスプレゼント何がいいんだ?」

「はぁ・・・・・・・」

「おいなんでため息なんだ。せっかくこの姉との同居のクリスマスなんだ。好きに言っていいぞ」

今年も始まったかクリスマス・・・・

世間が盛り上がるビッグイベント・・・・・・残念ながら俺にとっては憂鬱な日なんだ。




その理由はその当日姉がいつも以上に甘えてくるのだ。




普段も抱き着いたりとか俺が寝てる間に布団に入ったりとかもあるが、その次元を超えているのだ。



例えば主な例とはいうと無理やり彼女彼氏の感覚でデートをされたりして無理やり引っ付いて歩いたりして偶然同級生に見られて、新学期に入るとそれについてからかわれたり、『今日は特別な日だから好きなことをしていいぞ』と下着姿で俺の部屋に待ち構えたり、去年なんて、俺が寝てる時前々から欲しかったエロゲをパッケージのまま枕隣に置いたせいでその翌日何も知らない親父が部屋に入ってきてそのエロゲが見つかって理不尽に怒られたりあったから散々だ。

ただでさえあの家には親父やあのクソッタレの天敵がいるのにそれに加えていつもより甘えている姉ちゃんがいれば俺は精神が崩壊する。なので俺は少しはマシだと思い姉のとこに転がり込んできた。





まぁでも現在は実家を離れ不安要素の二人はいないが、それでも甘え上手の姉がいるから、その憂鬱さは今も昔も変わらない。その証拠に姉が何をプレゼントしようとニヤけて笑いを漏らしてる顔が腹立ってしまう。







「イブ当日一体何をしようか・・・・・やっぱ同居初めてだから、ここはお前が拒否していた全裸夜這いをここで監禁するかそれとも・・・」

「悪いけどその日は宗介に呼ばれて剣道部のクリスマスパーティーに呼ばれいているから」

「お前剣道部じゃないだろ?」

「誘われたんだよ」

断る選択肢はあったがその日は姉とは居たくないからな。しょうがなく受けた。ちなみに宗介は樹も誘ったんだがあいつはイブ当日はエロゲで、一人で部屋に籠って二次元エロゲヒロインとイチャイチャするから断ったんだとよ。




「それならここですればいいだろ」

「なんでこんなごちゃごちゃしたところでパーティーすんだよ。宗介たちが迷惑だろ?」

「宗介達?もしかしてそのパーティー女もいるのか」

「ああ・・・・・それが・・・」

勿論女子剣道部の合同だからな。けどそのメンツの美女は彼氏とのデート等ではぶるから参加するのは中堅以下のメンツだけどそこはどうでもいいだろう。







「お前、女と行くならまずわたしに許可取れ。どっかの馬の骨と知れない連中に弟はやらん。ふさわしいかどうか試験をしてやる」ポキポキ

なんで指の骨鳴らして喧嘩腰なんだよ。仮にその女子に絡むのなら、本性隠せ。知名度が下がるぞ・・・・





「余計な事すんな。生憎俺の嫁はエロゲだから彼女作る予定は当分ねぇよ」

「そうか・・・・・なら安心だ」

なんで安心?この姉本当に弟エンドにすんの?そんな近親行為はエロゲにありがちだけど、現実に持ってくるなよ・・・・






「残念だけどクリスマスのイチャイチャはなしか。なら欲しいエロゲはあるか?」

「ねぇよ。適当に買ってくれ。ちなみに」

「凌辱ものはNGだろ?了解した」

できれば妹ものをお願いしたかったが、さすがにそこまでわがまま言えないから黙っておくことにした。










そしてクリスマスイブ当日俺は予定にある宗介達と、剣道部の合宿場・・・・俺は行ったことは初めてだがそこで、騒いだりした。

勿論女子部員は宗介や、姉目的で俺に迫ったりしたこともあるが俺達はそれを流し楽しむことをしその後の二次会のスポ〇チャで楽しみ気が付くと11時になり解散し、その後は宗介と終電ギリギリまでカラオケを楽しむことにして、深夜日にちが変わる頃にマンションに帰った。




「ただいま~~~~~」

「z~~~~~~~」

玄関に恐る恐る入ると姉は机の上で寝て俺の帰りを待ってたようだ・・・・・

そしてその隣には俺にプレゼントする予定の包みが置かれ、その上に俺宛のメッセージカードが同封されていた。




似合わないキャラ物のメッセージカードでメッセージの内容は例年通りの内容だったけどそれでも読むことにし、寝ている姉にそっと毛布を置くことにした。





「俺の為に別に待たなくてもいいのに・・・・・・本当にめんどくさいな・・・・・けどありがとう」

無意識にお礼をして俺はそのプレゼントの包みを持って部屋に戻ることにし中身を確認することにした。






「え~~~~~~と中身は・・・・・う・・・・・これは」

中を開けると姉もののエロゲでしかもそのヒロインの一人が性格的にうちの姉と似ているものだった。






はぁ~~~~~結局何をやっても姉ちゃんのブラコンスパイラルから抜け出さないか・・・・

これを抜け出すには本格的に彼女を作るのを考えないとな・・・・・





いやいや俺の現時点の嫁はさだかちゃんじゃないか・・・・・

なんで浮気してるんだ俺は・・・・・・・っていうかよくよく考えたらさだかちゃんも設定的に主人公と近親じゃないか・・・

可愛い過ぎて近親だという設定を忘れてしまった・・・・




まぁ彼女を作ることは先延ばしでとりあえずせっかく姉ちゃんが勝手くれたエロゲを徹夜でやるか・・・・

そう思いながら俺は徹夜でエロゲをやろうと気合入れた。










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