九頭竜さんってあたしと同じ声がだせるんですか!?
辰巳ノア・・・・・・彼女は二年前に突如現れたエロゲ声優だ。素顔はまだ表舞台に、晒されてないが、持ち前の型にはまらない声で様々な声を出せる声の持ち主だ。
ウィキペディアで後に調べると彼女は最初は深夜アニメのモブ役をやっていていまいちパッと目立たなかったが、昨年の春ごろに発売された『ドキシス』のメインヒロインの間藤さだか役が出世作であり、彼女の放つ妹キャラが一部のエロゲファンを刺激され、当時そこまでエロゲにハマってなかった俺をよりエロゲの道をより深く沈みこませたのが彼女だ。
そのキャラで彼女は一部ネット内で注目を浴び辰巳ノアは深夜アニメよりエロゲ作品に出演が多くなり、俺もできれば彼女の出演作すべてを買いたいと願いたいがあいにく俺は学生でバイトをしているが、それでもエロゲという高価なものを多く買えなく、エロゲ仲間の樹と作品をシェアすることで多くの作品を体験してるのだ。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・・行ったか?」
「ああ・・・・・・・どうやら、警察は追ってこないようだ」
話は戻り、俺は辰巳ノアこと九頭竜乃希亜と共になんとか警察をなんとかまいたようで、近くの場所が分からない公園で休むことにした。
久々の全速力で疾走したから、息が上がり過ぎて汗があふれていた。
それは俺だけではなく九頭竜もそのようでお互い息を荒く吐いた。
「つーーーーか。ここどこなんだよ?お前知ってるか?」
「いや、俺も分からないけど、スマホで調べたら帰るルートが分かるかも。あーーーあ。また帰りが遅くなる。絶対に姉ちゃんになにか言われるな」
「・・・・・・・オレも予想以上に足を突っ込んでたせいで余計に遅くなるな・・・まぁ過ぎたことを後悔してもしょうがないしな。・・・・・それよりも」
「え?」
その時九頭竜は俺の首根っこを再び掴み俺を睨んでいた。たぶんあの時の件だろう。
「お前・・・・なんであの時オレのカバンを触りやがった?死ぬ覚悟はできてるんだろうな・・・・・ああ!!!」
「・・・・・・・」
はたから見れば金髪ヤンキーがただの男子高校せいに絡まれるように見えるだろう。実勢九頭竜はメンチきって俺を殴る勢いで拳を上げてるからな。
でも俺の場合はその件はどうでもいいんだ。なんせ目の前にいるのは俺の推しエロゲ声優の辰巳ノアさんがいるんだ。そう思えると笑いが止まらなかった。その証拠に先ほど走ったせいで声が裏返り辰巳ノアの声近く変化していたのは何よりの証拠だった。
「てめぇ!!!!なに笑ってんだよ。舐めてんのか!!!」
「・・・・・・・ノアさん」
「ああ!!!」
「好きです。辰巳ノアさん。『ドキシス』を拝見してからファンになりました。良かったらこのノートにサインをお願いします」
「は?」
俺は渾身の気持ちでカバンからノートとペンをまさぐりそれを見せる。
「お前状況分かってんのか・・・・・・殴るぞコラ!!!」
「殴ってください。それでもご褒美です」
「ええ・・・・・」
あれ?なんでたじろいているんだ。俺はありのままの気持ちを言ったのに。
「あのエロゲを拝見してから、ずっとさだかルートを飽きないまで何回もやっていて、毎日さだかちゃんの声を聴かないと生きた気持ちになりません。勿論他のエロゲ作品・・・・・でも学生だから金がないから、買えませんけど、サンプルボイスでも満足してるし、無名の時の深夜アニメもツタヤで借りて拝見もしてます。だからどうかご褒美を・・・・・」
「・・・・・・なぁお前なにか勘違いしてねぇか?オレはその辰巳なんとかじゃ・・・・・・ねぇぞ」
いや、その割にはなんか照れてるように顔を赤くしていつの間にか俺の袖を話してるしなによりも目が泳いでるよ。性格からして嘘がつけないんだな。
「じゃあ、ノアさんあの台本は?」
「あ・・・・・・・あれか?あれは・・・・・・・・あれは・・・・・・・・・・・そう、妹だよ。妹。妹がエロゲ声優やってるんだよ」
その割にはノアさんって言ってることを否定してないんだけど・・・・
「妹いたんですか?」
「あ・・・・・・ああ、あいつ、オレと違って二次元が好きなんだから、声優をやりたいって言ったら驚いてよ・・・・・・オレが何度も止めとけって言ってるのに聞けねぇんだよあいつ・・・・・・」
「でも声似てますよね?」
「馬鹿野郎。姉妹だから似てるのは当たり前だろ?」
「ふーーーーーーん」
「な・・・・・なんだよ。その疑いの目は?オレを疑ってるのか」
疑ってるどころか確信なんだけど、この様子じゃ何を言っても否定するからこれを使おう。そう思いながら俺は、スマホを使いあるボイスを流す。
「じゃあこれは」
『おにいちゃ~~~~~~~ん。今日もキスをお願いです♡チュッ~~~~んん~~~相変わらずおいしいです』
「・・・・・・・」さっ
俺がスマホにあるさだかちゃんのエロボイスを聞かせると九頭竜は耳ではなく顔を隠していた。
これは『ドキシス』の初回特典についているファンアートに載っている声優のインタビューコーナーで、『最近起きたトラブルはありますか?』と聞かれると、辰巳ノアさんは『このさだかちゃんは普段の自分とイメージがまったく違うキャラなので、自分で出した声なのに直接聞いてしまうとつい耳ではなく顔を隠してしまうのが悩みですね』というコメントがあったな。
まさかそれを本当にやるとは辰巳ノアさんの存在意義が高くなったと同時に俺の中の九頭竜乃希亜という硬派なイメージが地に落ちてしまった。
「その癖やっぱり、辰巳ノアさんじゃないですか。ずっと会いたかったです。よかったらさだかちゃんの声をお願いします」
「・・・・・・・・」
「もし恥ずかしかったら他のキャ・・・・・・」
「うるせぇ!!!!!!」ズドン
「ぐはっ!!」
俺は興奮のせいでオタクにありがちの長話で攻め入ったせいで九頭竜は怒りを爆発し渾身の頭突きをくらった感じがした。
その影響で俺は結構な距離で飛ばせれたようだ。
「今日はこれで勘弁してやる。もし今の事を誰かに喋ってみろ?次はぶっ殺すからな!!!!」
俺は頭突きをくらい目がくらむ中、先程の頭突きでデコを赤く腫らした九頭竜はそう言い残しスマホを片手に帰って行て俺もしばらくして起きるとこの場を後にした。
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