おにいちゃん、さすがにカラオケでエロゲソングを歌うのはどうかと思うよ

学校が終わり俺と樹は、今日は互いにバイトがないのでカラオケで先日の中間テストでたまったうっぷんを晴らす為に歌うことなった。ちなみに宗介は部活で大会が近いために参加はできないがもう一人のエロゲ仲間が後から来るので俺ら二人は先に中に入りドリンクバーでジュースと軽食を頼んだ後に先陣をきってまず俺が歌うことにする。勿論歌うのはエロゲソングの『ドキシス』オープニングだ。盛り上がるにはこれ以上ない選曲だ。





「よっしゃ。じゃあ始めるか。一番、大河都、曲は『ドキシス』オープニング『おにいちゃん☆レボリューション』歌います」

「待ってました」

パチパチパチパチパチパチパチパチ

曲のイントロが入り俺は何度も聞いたオープニングをイメージし、脳内の幻想妹(イマジンシスター)と対話するように俺は、恥も外聞も気にせず心をさらけ出し、Aメロに入り自分の感情を爆発させた。





「ハイ♪ハイ♪お兄ちゃん一緒にいさせて~~~~~ねぇねぇお兄ちゃんご飯食べよ~~~~~あのねあのねお兄ちゃん一緒にお風呂入ろ♪~~~~~・・・・・ずっと~~~~~~~一緒だよ♡~~~~~~~~~~~妹☆妹☆妹☆妹☆妹☆マイラブマイラブキュート妹☆妹☆妹☆妹☆妹☆マイラブマイラブキュート♪うーーーーんおにいちゅわ~~~~~~~~~ん♡」

この調子でハイテンションに踊りながら俺は歌った。なんせこの場所でしか俺はこの歌を歌えないのでいつも以上に声を上げ、ピョンと跳ね上がり奇声を上げた。たぶんこのまま歌えば店員が軽食を持ってくるのだがそれも計算のうちに入っている。

なぜなら樹が俺を応援してる間に、扉の前で見張っているのだこれなら、エロゲソングを歌っている最中で店員が来ても直前で曲を中断してごまかすように、アニソン、エロゲソング以外のJポップに変えれば問題ないのだ。




「だからね~~~~~もっキュンと♡」

「おいみゃこ来た。変えるぞ」

「もう・・・・・今いいところなのにしょうがないな~~~~~~ほれ」ピ

「失礼します。フライドポテトをお持ちしました」

俺がテンション良くハートマー作っている最中に樹の合図が聞こえ、思惑通り店員が来るときにはすでに次の曲に別に好きでも何でもない、吉〇三の名曲に変えた。もちろんその変化について店員は気づいていない。

くくくくくくくく計画通り・・・・・・・・(ゲス顔)





まぁそんな感じで俺達はこんな感じでエロゲソングまたはアニソンを歌いながらテンションを上げ時間はすでに一時間を経ったところで、事前に場所と部屋番号を教えたもう一人のエロゲ仲間が走り息を切らして入ってくる。

その相手とはうちのクラス委員長のざーさんだ。そう彼女はれっきとした隠れエロゲオタクなのだ。






「おまたせ~~~~~遅れてごめんね~~~~」

「来たかざーさん結構待ってたぞ」

「だから謝ってるじゃん」

「ほらっ突っ立ってないでなんか選曲しろよ」

「は~~~~~い」

「じゃあ俺ドリンクバーでなんか持っていくわ。なにがいい?」

「ありがと木野原君、じゃあウーロンでお願い」

「おうよ」

「それにしても、結構早かったなてっきりもっと遅くなると思ってたのに・・・・・・」

「それじゃ、いち早くエロゲソング歌えないじゃない?こっちは蓮達と別れてこっちにくるの走ってきたんだから・・・・」

ざーさんは、ハンカチで汗をぬぐい、夏服をバタバタと揺らしながら室内のクーラの風を堪能としていた。

なぜこの見るからにエロゲに縁がないクラス委員長がエロゲにハマって隠れるように俺達の仲間に入ったというと、大半は俺達のせいにあるのだ。





その理由はざっくりいうと二か月前、クラス替えした放課後の時樹がヘマしてエロゲパッケージを教師にバレて没収されたのだけど、その時場にいたのが他にいたのが俺とざーさんだけで、幸いにもこれ以上存在が広まることは無かったけど、その代わりあの場にいたざーさんがエロゲの事を食いつくように興味津々になったから俺はとりあえずエロゲ初心者にはおすすめ出来るしなにより俺の神作品である『ドキシス』を渡すことにした。

なんせドキシスは抜きゲーやリョナゲーのようなハードプレイのHシーンなんてないからな。どのヒロインのルートも甘々で純情なシーンがあるから大丈夫と思って渡した。



で、その日以降彼女はエロゲにハマってしまって女友達にはこっそりと俺達とつるみ今のようなカラオケや喫茶店など郊外で他の女子がいないスポットでエロゲ雑談をしてるのだ。

俺的には、こんないい子はエロゲの世界に足を浸かって欲しくなかった。あの時、渡すエロゲは、ネットで間違って購入した、最低のリョナゲの『堕姫(おちひめ)』を渡すべきだった。このエロゲは開幕ア〇顔で複数の男の乱〇電撃パーティーだからあの時やった俺でさえすぐにセーブデータを消し、ディスクを壁に向かってスパーキングして一時間以上もトイレで吐き続けた駄作だからこれをやればざーさんはエロゲを諦めると思ったのに・・・・・・

なんでよりによって『ドキシス』を選んだんだ俺は・・・・・・




「じゃあ、次私が歌いまーーーーーーす」

そう言いながらざーさんは、俺が先歌った神曲の『おにいちゃん☆レボリューション』を選曲し、元気よく振舞ってた。まぁ俺と同じ『ドキシス』がエロゲの中で好きって言ってたから後悔はないな・・・・・・・












「ふ~~~~~~~歌い終えたーーーーー」

学校帰りでカラオケで歌い数時間が経ちカラオケ店で樹と別れ、俺は駅までで、ザーさんはチャリなのだが、家は俺が通る駅を過ぎてすぐだからは駅までは一緒なので一緒に帰るのだ。

周囲はすでに暗くなり、繁華街は帰宅のサラリーマンや若い女性などが目立っていた。





そして俺は今の時間が知りたいのでスマホを見るとすでに8時を過ぎ、履歴を見ると姉の着信で溢れていた。いけね、7時以降帰りが遅いときは電話しとけって言ってたな。すっかり忘れていた。

まぁとりあえずLINEで送るか・・・・・・・






「あれ?大河君、家に連絡?」

「ああ、姉に連絡入れるのを忘れていてな・・・・」

「そっか。実は、別れる前に大河君に一つ言いたいことがあるんだけどいい?」

「ああ」

ん?なんでざーさん顔を赤くしてソワソワるんだ?もしかしてこのシチュは告白の流れみたいになってるんだけど、止めてよね。そんなことされたら自然に告白受けてしまうじゃないかだって俺には二次元嫁件妹のさだかちゃんがいるのに・・・・・・

まぁ委員長は顔は地味だけど行動力があるからいいかな・・・・・・なんてな。







「実は私遅れて来たけどその理由聞く?」

「理由って女友達を巻くためだったんだろ?」

「そうだけど、もう一つ理由があって家に一度帰ってこれを貸そうと思ってさこれ借りる?」

「・・・・・・・」


そう言ってざーさんはカバンからエロゲのパッケージをチラッと見せる。やっぱりなぁ。期待してた俺が馬鹿だったわ。




「確かこれ『空の彼方の記憶』って泣きゲーだよな。たしかネットで話題になったやつだよな」

「そう、ヒロインの女の子が可愛いいからバイトで稼いで始めて買ったエロゲの処〇作品だからやらないと損だよ。私昨日PCにデータ読み込んでやり始めたばっかりだけどおもしろいと思うよ」

「・・・・・・・ざーさん。〇女作の意味が違うんだけど?」

「そう?」

「まぁいいや。俺このゲームやったことないからとりあえずやってみるよ」

「ほんと」

「でも面白いかな?だってこのエロゲ妹キャラはいないんだろ?」

「相変わらず妹萌えだね・・・・・それは心配なくこの作品サブキャラで攻略できないけど、大河君が好きなエロゲ声優の辰巳ノアさんが出るよ」

「好きって別に俺はその人が好きじゃなくてさだかちゃんの声と同じ人だから気になってるだけど」

「じゃあ貸さないよ・・・・・・」

「むむむ」

辰巳ノアと言えば、今朝九頭竜が出したそれっぽいアニメ声が気になるんだよな。それに記憶によるとこの作品の辰巳ノアが演じるサブキャラって不良少女のヤンキーキャラだったな。








「すまんじゃあ借りるわ。けど一ついいか。この作品に出てくる家出少女の声聞いたことある?」

「え?確かそれって袖織比奈(そでおりひな)のこと?」

「そうそれ、その人の声学校で似たような声の人がいると思うんだけど心当たりある?」

「うーーーーーーーーん。そういえばどこかで聞いたことがあるような------ってそれがどうかした?」

「いやなんでもない。とりあえず借りとくよーーーーーーーーわっ」わっドン

そう言って俺は彼女からエロゲを受け取ろうとした時、俺は誰かにぶつかり、その衝撃でエロゲを落としてしまった。





「大丈夫?」

「ゴメン落としてしまった・・・・・・・・すみませんってお前は」

俺は落としたエロゲを拾おうとするが、相手もそれを拾おうとしたので触れる瞬間にぶつかった人と目があう。

それはなんと、九頭竜乃希亜本人だった。




「ああっ?気をつけろどこ見てんだ?って・・・・・・・」

「九頭竜・・・・・・・なんで」


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