天使と悪魔の子

@SimamuraYosimi

第1話出会い

「ようこそ天悪高校へ」

天悪高校とは天使と悪魔を持つ生徒がいる学校と言ったところだろうか。人の表と裏があるように学校には天使と悪魔がいるのだろう。俺は小山健次こやまけんじ新一年生である。俺達新一年生は体育館で入学式が行われた。

「この学校では天使と悪魔、二つの人格を持つ者がこの中にいるかもしれない。しかしそれは悪い事では無く良い事とも言える。すなわち人間性である。」

校長先生の話というのはいつ聞いても長いといえるがこの学校がどういう場所なのかが何となく分かった。俺は教室の席に座っているとみんなが自己紹介を始める。

「私は高波藤花たかなみとうかです。よろしくね。」

俺は人の自己紹介を黙って聞いていたが俺も自己紹介をする事をすっかり忘れていた。

「えっと、俺は小山健次です。よろしく。」

俺が一人でいたいという事がバレるとめんどくさい事になってしまう。教室のドアが開いて俺達のクラスの担任の先生が入って来た。

「私は一年三組の担任の滝川陽菜たきがわはるなだ。授業とサバイバル生活を担当している。サバイバル生活のルールは後で説明しよう。」

サバイバル生活のルールをはっきり言わないのには何か秘密があるのだろうか。滝川先生は教室のドアを開けて行ってしまった。俺が席から立ち上がってトイレに行こうとした時、高波藤花が俺の席の方に歩いて来る。

「今日、一緒に帰れる?話があるんだけど。」

涙目で俺の事を見てくる高波藤花、どうみても真面目だろう。高波藤花は自分の席にすわって俺の方を見てニコッと笑った。学校が終わって俺は教室に残って高波藤花を待つ。

「お待たせ、待ったかな?」

待ってはいないが心の準備がまだ出来ていないだけだ。俺は笑顔の高波藤花を見て少しホッとした。

「小山君に友達を作るの手伝ってね。」

はっきり言って君が真面目だから嫌だと俺は思うのだがそんな事より高波藤花の質問に答えなければ俺が一人でいたいと思っている事がバレてしまうかもしれない。

「分かった。友達を作るのを手伝おう。」

俺は高波藤花の友達作りに力を貸す。しかし俺にはどうやって友達作りの手伝いをすれば良いかは分からない。適当にやって友達が出来るなら俺も友達を作れているだろう。これが俺の一日の始まりである。

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