付き従いて……
神光寺かをり
序章
美しい声が聞こえた。
その声が己を呼んでいる。
薄闇の中、そっと手を伸ばすと、柔らかな乙女の頬に触れた。
思わず、抱きしめた。
と。
「そんなにおなごの肌が恋しいのなら、妻をお
美しい声と、激しい痛みの元が言う。
大あくびをした簡雍の、霞んだ目に、ぼんやりと、若い官吏の姿が映った。
「
「阿花と呼ぶのは、やめてください。大体、私に『
背が高く、
「子供扱いしなければ、嫁にきてくれるかね?」
無精ひげの中に埋没した口元に、にやけた笑いを浮かべる簡雍に、若い官吏……の衣服を着た
「父上に聞いてください」
「ちっ。
簡雍は大きく伸びをして、寝台から起き上がった。
「伯父上……いえ、
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