第19話 裏付けのない作戦
「とりあえず…交渉決裂の様だね。何がいけなかったのかな?最初から祖父が亡くなったってカードは切るべきじゃなかったって事なんだろうね。出来れば話し合いで解決したかったよ」
自然とため息が出た。
「あまりお気を落とさずに…」
ノマドさんが心配して声をかけてくれた。
気づけば4人の精霊達も心配そうに僕の方を見ている。
「全員無事にこちらに来れたみたいで安心したよ」
僕は自分が逃げるのに精一杯で、皆の事を信じるしかなかったと言うのが現状だ。
この中では僕は足手まといにしかならないのは正直わかっていたから、少しでも早くドアを潜り、みんなに迷惑をかけないようにするのが最善の方法だと思っていた。
だから、全員がこの場にいることが何より嬉しかった。
僕を逃がすために誰かが犠牲に…とかは有ってはならないと考えていた。
でも少し考えが甘かったと反省。
結果大丈夫だっただけだよね。
…もっと色々考えなきゃ。
そんな事を考えていたらノマドさんが状況を説明してくれる。
「向こうのアジトはノーミードが出入口を土で塞ぎ、サラマンダーがその土を炎で焼き固めました。これにより影達が外へ出ることが出来ない様になりましたのでご安心下さい」
この辺、本当にうまくいってよかった。
「輝様、もう一度確認ですが、影は閉じ込めることに成功しております。ここで終了…と言うことも可能ですが、本当に影と宿主を切り離すまでお続けになられるのですね?」
その問いに僕はゆっくり頷く。
「わかりました。それでは次の作戦へ移りましょう」
ノマドさんは優しく微笑んだ。
きっと僕がどうするかはわかって聞いたのだと思う。
さて、ここからは貯金箱の出番だ!
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