第2話 モトグッツィ

他の画像を見てみると、古くて華奢な作りで排気量の小さそうなバイクだった。ペダルは付いていないが、確かにクッチョロと似ている感じがする。


美生みおは言った。


「このバイクのメーカー名はモトグッツィということは私でも分かります。車名はこの画像を詳しい人に見てもらえば分かるでしょう。それだけでいいんですか?」


有希ゆきは困ったというような表情を浮かべた。体をすくめながら言う。


「私も私の父母もバイクに興味がなかったので、他のバイクはすぐに処分してしまいました。その時、色々な事が起こって、祖父が大事にしていたものをすぐ処分して、が当たったのかなって。今回1台だけ残っているのが見つかって、もう一度チャンスをもらえたんじゃないか、と思ったんです。」


「だからメーカーや車種がわかれば修理できるところを探して、駄目でもずっとうちに飾っておきたいと思ってます。」


美生は詳しい人に心当たりがあるので、その人の都合を聞いてみると言って今日のところは有希と別れた。


その後、美生はけいの機嫌を取るのに苦労した。ようやく機嫌が直って、ソファに座っている美生の膝の上にお姫様のように抱きかかえられている佳がふと思い出したように言った。


「なんで、前にバイクを処分したところに聞かないんだろうね?」




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