壒嚢感想集

凪常サツキ

[平沢進]ホログラムを上る男


 私にとってはもはや、平沢進は平沢進という一ジャンルです。


 というわけで。ホログラムを上る男は彼の十三枚目のアルバムです。なんというか人間の創造力というのは年齢を重ねるにしたがってより一層深みを増し、白く巨大になっていくということをまざまざと見せつけられます。音楽に対する挑戦的な旋律に、渦巻くノイズ、深遠膨大な知識語彙、また平沢進の超然たる悠然なる真心が、この円盤一枚に収められているのです。到底、ここに収められる限界の七十分ばかしで理解できる代物じゃありません。脳がとろけて耳から滴り落ちてしまいます。

 なんかわからないけどスゴいですね。早く曲を聴いて圧倒されてくださいな。


 特に私がこれと言って感想を言えるものすらないほどの極端がこのアルバムなわけですが、唯一いえるとすれば、「05 Wi-SiWi」は平沢進からファンへのサービスであり、また「06 回路OFF 回路ON」は、明確な反戦曲であるということでしょう。全体的に人類への警告じみたものを感じさせる雰囲気でありました。

 

 ではまたこんど!

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