014_獣の皮
弱い自分を隠すために、獣の皮を被って生きていこう。
強いとされる獣の皮を被っていれば、皆が勘違いしてくれる。
そうだ、獣として生きていこう。
獣として生きてきて、少し経った。
同じ獣が寄ってきて、いざ知った。
強いとされる獣が、実は大したことがないと。
強いとされる獣が、実は人に支配されてたと。
慌てて群れを抜けようとしても、獣たちは許してくれない。
―――なんとか、獣の群れから逃げ出した
人の群れをようやく見つけた。
これでもう獣になろうなんて考えはやめよう。
これからは人として誇りを持って生きていこう。
だがいざ皮を取ろうとしてもつなぎ目がない。
人であるはずなのに人だと言えない焦り。
ならばと皮を剥いでも剥いでも人が見えない。
人であるはずなのに人だと言えない恐怖。
自分の願いはやっと叶えられたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます