遺書

これを誰が読むのかはわからない。


ただこれを俺以外の人間が読んでいるのなら、間違いなく死んでいるか破滅しているかのどちらかだろう。


かつて過ごしていた平凡な日々がいまは懐かしい。


退屈だと思っていたあの生活も今から見れば幸せだったんだ。


もう這い上がれない‥這い上がる為に立ち上がる大事な何かを俺はもう持ちあわせていない。


プライドを捨てて仕事をして‥その結果として大事な心の芯も削られて気がつけば自分が一番なりたくなかった人間になっていた。


クズになった自分の自意識を認めたくないがために女とやりつづけても、見透かされて誰も残らない。


金も気力も矜恃も無くて、誰からの尊敬も評価もされない。


一瞬だけの自身の肯定を求め、エヘラエヘラと笑って嘘を並べながら、施されるようにこぼれる笑顔をかき集めて生きる理由とする。


もう限界だ。


精神的にも社会的にも‥‥。


きっと俺はバカでクズなやつだったと断罪されてこの世から消えるんだろう。


若い時に共にすごした孤独がいま俺を狂わせていっている。


戻れない‥戻らないのでは無く‥‥もう戻れない

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