第18話
どれくらい寝たのだろうか。俺の中では少なくとも12時は過ぎてるはずだった。だが、残酷にも時計は日曜日の朝の7時を指していた。何度もテレビや時計を見返したが結果は変わらない。また同じ日曜日が始まるのだった。手にしていたはずのお金も財布から勿論消えている。「何で魔法が解けない?」俺は、あの婆さんとの会話を何度も思い返した。
答えはない。「俺が寝たら戻るのか?」昨日、俺は朝まで起きていた。それまではお金もあったし、テレビ番組も正常だった。あのまま寝ずに起き続けていれば魔法は解け月曜日の日々を過ごしていたのか。それなら俺はずっと起きる選択肢を選んだだろう。だが、人間ずっと起き続けることは不可能だ。俺の今の体力じゃ、頑張っても48時間くらいが限界だろう。そこでリセットされるのであればその頑張りは無駄になる。そう考えると全てが馬鹿らしく思えてきた。「魔法はいつか解ける」のであれば、お金だけ蓄えておけばいいや。そう思った瞬間、俺は更にあることを思った。「何で毎回午前中の時間を潰してお金を増やさないとダメなのか。誰かにやらして俺は違うことをすればいいんじゃないのか。結果は全て分かってるんだし、面倒なことは誰かにやらせれば…」どうせすぐには魔法は解けそうにないんだから。
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