『無限の住人』の沙村広明さんの作品。

　バーで一人語りした失恋話を録音されて、地方ローカルのラジオで流されたのをきっかけに、ラジオパーソナリティとして働くことになる。

　いわゆるお仕事モノ。

　ダメンズを引き当ててしまう、主人公のダメ人間ぶりがすばらしい。

　いわゆる「ガチのサバサバ系」ってのは、こんな感じ。

　生々しくもあり、「んなアホな」という感じも出ている。

　これくらい舌が回る人って、「鼓田ミナレ」か「にじさんじ」の「剣持刀也」くらいだろう。

　どうすればそこまで一人語りのボキャブラリが出るのよ、ってレベルである。

　中の人は『スライム倒して300年』のロザリーだ。

　各話の7割を一人で語る必要があり、毎回「噛んだら最初からやりなおす」と自身に活を入れていたらしい。

　決して善人ではないが、悪党とも言い切れない普通の人を使っているのがいい。

　周りの人間も、善人と言い切れない辺りがリアル。

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