【ラノベ】 安達としまむら

 2020年10月にアニメ化もされた、百合ラノベ。


 サボりぐせのついた安達としまむら。

 二人は、体育館の踊り場で卓球をするのが日課になっていた。


 あるとき、「しまむらとキスをする」夢を見てしまい、安達はしまむらを「恋愛対象?」として意識するようになる。


 しかし、それなりに社交性のあるしまむらは友達も多くて、安達はやきもきしてしまう。



 独占欲が強く、犬のような性格の安達は、猫のように気まぐれなしまむらの言動に翻弄される。

 安達はしまむらを独占したくて、周囲に誤解を招きやすい。嫌われてはいないが、とっつきにくいとは思われている。

 で、感情が空回りして時々奇行に走る。


 しまむらも、安達の社交性のなさに悩まされつつも、それなりにうまく周囲と溶け込めている。

 かといって、それ以上仲良くなろうとかは考えていなかったりする。

「来る者は拒まず、去る者は追わず」なタイプだ。


 劇的なことは起きない。

 明確なテーマやゴールが、提示されているわけではない。

 それだけに、「友達以上」という絶妙な関係を強調している。


 どのキャラクターにおいても、ゴールがない。

 むしろ「誰がどう生きていくのか」を観察するような小説だ。


 同作家の『電波女と青春男』のキャラと関係のある自称宇宙人が搭乗する。

 おやつやコロッケを求める野良犬のような性格だが、愛嬌があって癒やされる。

 このキャラだけでも一本かけそうだ。

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