2018.10.15.ミサイル撃っちゃった。
10/15
バイト先のEさんと海外にいった。
Eさんはよく私に餌付けしてくれる、
金で物言わずタイプのいい人だ。
アジア系の、雑多で繁華な街並み。
いい店をさがしていたけど
あまりに腹が減りすぎて、
テキトーの店に入った。
Eさんは知っていたらしいけど、
「ここ微妙なんだよな、しゃあねえけど」と。
ケーキ屋みたいにショーケースにお菓子が入ってる。
(今思うと結構普通な感じのケーキ屋だった)
でもなんだか、
脂ぎった表通りに面しているし、
照明はつけてないし、
あまりいい雰囲気じゃない。
私も しゃあねえ から、
テキトーにお菓子とケーキを取った。
739 ぐらいだった気がする。
もそもそ食った。
…………
それから、
恋人が出てきた。
私は恋人とこの国に来ていた……ようになっていた。
次から次へといろんな人が来てめんどくさいなぁ
と思った。
恋人は私に胸元を見せてきた。
胸一面が…………なんと言ったらいいのだろう、
びっしりと貝殻が敷き詰められたというか、
…
皮がめくれていて、
そこにいびつなデコボコが広がっていた。
「これさ、なんかこんなんなったけど、ほっとけばなおるよて?」
と恋人が言う。
「いやいやいやいや、おかしいからね
なんの病気だよ。観光とかいいからすぐ病院だろ」
と私。、
そっから しゃあねえ から帰ることに。
途中、かわった造りのトイレに行った。
セピアというか、埃っぽいオレンジの陽が入ってきていて
数えきれない個室と立ち便器が並んでいた。
………………
どこかの駅前。
人がたくさんいて、カラオケとかゲーセンとかあら
目障りな広告や灯がある街、昼間。
幼馴染がいた。
それから同居人A。
私となにか話す。
私は、海外から飛行機、そしてここまでの記憶が
全くないことに気がついた。
いささか焦る。
まぁでもとりあえずその辺を散策。
中古ゲーム屋の入った。
外から見えるように、中の棚に陳列してあった
ウルトラマンとスパロボの抱き合わせの
2700円の、ps3 のソフト、
え、欲しいな! と思って、買うか迷ってた。
——————
私は、ほんのいたずらで、弾みで、
ミサイル発射ボタンを押してしまう。
モバイルで、
『戻る』とかしちゃうとまたパスワードとか設定が最初からになるような、
ちょっとやりにくいミサイル発射サイトがあって、
めんどいなー、と思ってぽんぽーん
ってテキトーに何も考えずにページを進めていった。
誰かに教えてもらったミサイル発射パスワードを、
私はなんとなく使ってしまう。
「なんだっけ、IBMC? ICBN?
よー分からんが撃っちゃった」
人に話すと、
多分同居人A、
「はッ? なんで? やばくね?
どうやってやったの、じゃなくてマジでヤバいから」
Aに言われて私もようやくことの重大さに気づく。
ミサイルは、
日本のどっかから、
東京のまぁ中くらいの大きさのビルに向けて発射されていた。
ニュースでもやってた。
あんま見たくなかったからよく知らないけど、
多少の死者と、甚大な2次被害。
「どうしよう……
やっぱバレるかな、言った方がいいかな正直に
えー、やばい、、どうしよ私」
私はとりあえず出先から、
下北沢のアパートまで歩いて帰ることにに。
電車を使うと、
駅で張ってる警官に見つかるんじゃないかな?
とこ情けない考えで。
時刻は西日の頃。
歩いていくと、約一時間の場所。
近い。
とぼとぼそわそわと歩いていく。
「(いやぁミサイル撃っちゃった。
大丈夫かなぁ皆さん。
やっぱ逮捕だよなぁ。
ごめんねお母さん、私、お縄だ。」
どっかの小さなインターチェンジの
まぁただの高速の出入り口付近。
住宅街の方に降りて行く道で、
私はSさん、バイト先の年下の先輩
と一緒にいた。
彼女は、いつもにこにこ献身的な子。
成績優秀で、もうとっくに内定をもらってる。
でも、ほんとは毒舌で、たぶんすごいコンプレックスがありそうな子。
彼女が、むっすりした顔で、
一抱え以上もある車のおもちゃを持っていた。
おもちゃは、ハンドルだけが効いて、
ブレーキなどはないみたい。
アメリカ製の、じょうぶで、おもたい、
子供用のおもちゃ。
それを、住宅街に下るその坂で乗っていた。
彼女は私と一緒に行っているのか、
まぁ、どこに向かっているのか分からない。
ただ、そんなチャチなハンドルと、
重たい車体のおかげで、
Sさんが乗って下り始めるとすぐに猛スピード。
ガタガタガタ跳ねて、
左に曲がる急カーブ、
彼女は曲がり切れずにガードレールを超える。
土手を固めた雑草だらけの斜面を滑落。
下の畑までの崖の淵で運良く止まる。
そりゃそうだろ…………
と誰でも思うような状態だけど、
彼女は依然のむっすり顔と傷だらけの身体で立ち上がる。
私は彼女の子供っぽい強情さに、
なんだかいたたまれなくなって、
ガードレールを越えて、
彼女の愛車を道まで引っ張り上げるのを手伝った。
「重いね
なんて言っても彼女はだんまり。
車を引っ張りあげたところから、
彼女はまた乗車。
私は、
人がこうする、とか決めたことを
あまり否定しないようにしてる。
それが辛いだろなって、ことでも、特に。
Sさんはまた下る。
奇跡的に住宅街の方まで下りていった。
私も歩いて下まで。
同居人Bがいた。
「帰り遅いから夕飯作っといたよ
ただのチャーハンだけどさ。
と言って、Bは一皿のチャーハンを私に見せた。
なんで皿に盛ったのをここまで?
と思った矢先、
一つだけ乗っていた大きめのキクラゲがぽろりと落ちた。
Bの後ろの方から、
「いやぁ はいはーい」
みたいな、まぁよくいる感じのおじさんが出てきた。
一緒にチャーハンを作ってたらしい。
あんた誰だよ って感じだったけど、
人がいない、畑くさい、
西日の住宅街に私はなんだかホッとした。
ミサイルは、どうなったんだろ。
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