いつかの夢、ヴァッファローマン(not キン肉マン)




ヴァッファローマンとは、

毎晩誰か一人の命を奪う怪物である。


殺す獲物は、ランダム。


大きな体躯。

黒くて、鎧のような皮膚。


明かりの消えた部屋に訪れて、

有無を言わせず人を殺す。


……



ヴァッファローマンは、

昼間は気の弱い一人の学生である。


彼は騒がしい教室の隅で一人静かに過ごしている。

いじめられはしない。

むしろあまり相手にされていない。

ひっそりと、過ごしている。




ある時、ヴァッファローマンは、

自分の憎しみに従って殺す相手を選んでしまう。


ルール違反だ。


それに加え、

一晩に二人、三人、四人…………と、

殺す数も増えていく。


…………



ヴァッファローマンはそれから大きくなってしまう。

ビルをなぎ倒すほどに、

空を覆い隠すほどに。



都市伝説のレベルだったのに。

もはや災害レベル。



一晩に何千人を踏み潰す。



ヴァッファローマンである、

気の弱い彼は、もう昼も夜も関係してない。

ずっとヴァッファローマン。



ただ、殺していくだけ。




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