第59話 狛江駅を歩く。03
そしてサンメリーで買い物を終えた私達はこれから同じ小田急マルシェの高架下にある啓文堂書店によって紗枝ちゃんにどんな本を読みたいのか調べてみた。
どんな本が好きなのか彼女の問いただせば非常に良い情報が得られると私は思っていたからだ。
だからこそ、私は彼女がどんな本を読みたいのか聞いてみる事にした。
「なぁ、紗枝ちゃん。あんたはどういう本を読みたいんだ?」
その言葉を聞いた紗枝ちゃんは最初は少し悩みながらも次第に自分で考える行動をとり元気を取り戻した。
そして、素直に彼女に話して彼女はどんな本が好きなのか凄く気になっていた。
すると、彼女は口を開き…、
「そうだね。美咲さん。実は私が好きなのは新書本で山川詩織さんの『立憲的改憲』という本ですよ。」
その話を聞いて意外と彼女は憲法に関連する本がここまで好きだとは思いもしなかった。
それを聞いた私はその本についてしっかりと説明しようと思った。
「へぇ~。山川議員先生の『立憲的改憲』という本が好きなんだ。でも、私もこれを読んだことがあるし、憲法について考えた事が私もあるから猶更だな。」
「そうだね。美咲さん。あんたの言う通り、あたしも憲法についてしっかりと考えなければいけないなと思う時があったし、そのお陰で私は非常に助かった側面もあるから猶更、憲法についてしっかりと考えないといけないと感じた事があるからね~。」
「だな。憲法というのは権力を縛るものじゃなければ意味がない。人は欲望にまみれる事が多いからその防波堤として憲法が機能しなければならない。」
憲法というのは『権力を縛る為にある法律』であり、『権力を縛る力がない憲法は憲法じゃない』といえる。
つまり、権力を縛らなければ憲法は不要なのは当然だといえるでしょう。
それを重点に置きながら私は、憲法の在り方を紗枝ちゃんと共に話しているだけで非常に楽しい内容だと思い出しながら彼女に話す事にした。
「で、『憲法が権力を縛る法律』なのはなぜか。それは国民の生活を権力者から守る事で国民の安全が保障されるからだよ。」
そういいながら私はこの事を彼女にしっかりとぶつけた。
「ふふっ。美咲さんは権力を縛る事に対して非常に敏感だし、私もその通りでうよ。でも、そういう姿勢があるから逆に皆に好かれるんじゃないかなと思うよ。」
その話を聞いた私は憲法の重要性がこんなにあると思うだけで紗枝ちゃんに話したくなると思った。
だから私は彼女にもっと説明しようと熱意が現れた。
「あぁ、そうだな。紗枝ちゃんの言う通り、私はそういう傾向があるし、むしろそうでなければ逆に殺される恐れがあるから猶更だね。寧ろ憲法を縛る事で国民の生活を守る必要性はそこにあると私は思っているから。」
「ふふっ。本当に美咲さんは面白い人だよ。でも、そういう姿勢だからこそ憲法の重要性を理解し、楽しめる。美咲さんが人に教える際には真剣な部分でも楽しく教えられる部分があるからこそ、多くの人が凄く楽しくなり勉強できる姿勢があるんじゃないかな。」
「そう…なの…かな…。」
紗枝ちゃんが色々と話されて意外と私も返答する余地がない。
けど、私でも非常に疑問を抱いてきた内容だが、それだけでも私は非常に嬉しくなってくる。
そう思いながら私ができる事は皆に大きな変化を与える事じゃないと意味がないと感じていたので、それを変える上でも、自分がしっかりと進んで取り組まねばいけないと常々感じていた。
そして自分が変わらなければ人は変わらない。
その事を強く心に留めながら私が読みたい本をしっかりと彼女に教える決心をした。
「で、紗枝ちゃん。私が読みたい本はどんな本なのか気になるかいな?」
「うん。気になる。」
「じゃぁ、私が読みたい本を幾つか出すから見てきな。」
「うん。ありがとう。美咲さん。実は私も美咲さんがどんな本を読んでいるのか非常に気になってきたので非常にありがたいです。」
彼女が私の読みたい本を聞いて非常に嬉しくなったことで彼女は凄く元気が湧いてきたように感じた。
私も彼女の負けるわけにはいかないと常々感じた…。
「そうか。じゃぁ、一緒に読みに行こうか。」
「そうですね。美咲さん。」
意外と素直な紗枝ちゃんを見た私はこの調子で彼女にしっかりとどんな本が好きなのかはっきりと教えようと思った。
そしてまずは『脱属国論』という本を出してこの本がどんなな用なのか教える事にした。
「で、紗枝ちゃん。この『脱属国論』という本はどういう本なのかわかるか。」
「う~ん。私にもよくわからない。けど、伊勢嶋真治さんや井口文雄さん、田村浩一郎さんが対談している本だし、少しだけ見た覚えがあるように思うな。」
「見た覚えがあるという事はこの本を知っているのか。」
「えぇ。この本に書いてある事は属国を離脱する為にどういう方法があるのか。そして属国がどういう悪影響を及ぼすのか記述してあるから非常に読み物として良い内容だと、お兄ちゃんから聞きました。」
「へぇ~。って事は紗枝ちゃんのお兄ちゃんがこの本を読んでいた訳だな。」
「そういう事です。勿論、私も少しだけ読んだから内容は判っているけどね。」
「成程。それはそれで恐れ入った。でも、そういう知性があるからこそ紗枝ちゃんは意外と慕われるのは判る気がした。」
彼女がここまで慕われる背景にはやはりそれだけの血性がそこまであるからこその能力なのだと常々実感した。
そして彼女は知能などは優れているし、体は年齢よりも若々しさを感じてくる。
ある意味で成長する上でに知能はかなり高知能な少女なのだと私は感じた。
彼女が大人になれば間違いなく優秀な人間になれると思うと私はこういう人を絶対に大事にしなければいけないと思い、他の本を探った。
「で、この本は知っているか。」
「これはイランの本だよね。」
「ああ、『個人主義の国イラン』という本だが、結構読んでいるとイランの凄さが判るんだ。」
「成程。でも、美咲さんはイランやロシアに旅行した事があるでしょ。」
「まぁ、そうだけどな。」
紗枝ちゃんにロシアやイランに渡航した事があると述べた後、私はこの本に対して説明を続けようと思った。
そうすれば彼女にイランの事をしっかりと説明できると思ったからだ。
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