7.G勇者の力に恐怖す

*************


≪適応≫の効果で≪快眠≫を獲得した。


・快眠


どこでも快眠ができる。LVが上がるごとに睡眠に必要な時間が減る。


*************




「うぬ、スッキリとした目覚めじゃな。」


それになかなか使えるスキルを覚えたな。睡眠時間が減るということは活動時間が増えるぞ。つまり強くなるために時間を多く使えるのじゃ。




今日の朝食は昨日の晩に命を懸けて手に入れたドラゴンステーキの残りを頂いたのじゃ。


さすがに一度食べたものをもう一度食べても新たなスキルは手に入らなかったのは残念じゃが仕方ないのう。


今日は小型巨人どもが戦闘訓練をするそうじゃから我もそれを盗み見て我が力としてくれようぞ。


眷属には情報収集に加えて食料の確保を行なってもらおう。


アイテムボックスを共有できぬので面倒じゃがここまで運んで集めておくのじゃ。


BGたちが器用に敬礼してから行動が開始していく。


こやつらいつの間に敬礼など覚えたのじゃ。


依然巨人どもが見る動く絵に出てきたポーズじゃったかの?


これで食料確保に時間を取られることなく我の力を鍛えることができるのじゃ。


巨人どもに比べ数も圧倒的に負けておる。


少しでも効率よく動かねばな。


「って待つのじゃ!誰か小型巨人どもが訓練しておるところに案内するのじゃ!」


フウ危うく小型巨人を探して回ることになるとこじゃった。


効率を重視したはずなのに逆非効率になりとこじゃったの。




1匹のBGに道案内をさせて小型巨人達が戦闘訓練を行なっていると言う広場までやって来た。


そこはどうやら建物の外らしく建物に隣接する森を切り開いて作ったもののようじゃ。


広さは出てきた建物とほぼ同じ広さがあるぞ。


そこで小型巨人達はすでに大型の長髪雌巨人から魔法の講習受けておった。






「それでは勇者様方はすでに魔法スキルをお持ちなので魔法を使うことはそんなに難しくありません。例えば火魔法の場合は火をイメージして『ファイヤ』」


すると大型雌巨人の指先に小さな火が灯ったのじゃ。


「「「「おおおおお」」」」


小型巨人どもがどよめいているぞ。


あの程度の小さな火で何を驚いているのじゃ。


「魔法で大切なのはイメージです。そしてそのイメージを補完するのが呪文です。それではさっそくあちらに向かって魔法を使ってみてください。」


「よっしゃ!やってやるぜ!」


「オレの右手が唸るぜ!」


「ついにオレの隠された力が発揮するな!」


いよいよ魔法が使えるとなって小型巨人どもが騒いでおるわ。


「いくぜファイヤーボール!」


ひとりの小型巨人が魔法を使うとソフトボール大の大きさの火の玉が我よりも早いスピードで飛んでいく。


着弾すると一気に炎が燃え広がった。


「す、すごいです。勇者様。すでに一流の魔法使い以上の魔法です。」


「へへ、どんなもんだ」


あの魔法を使われたら今の我では逃げることができずに焼き払われてしまうかもしれんぞ。




***********


≪適応≫の効果で≪火魔法≫LV1を獲得した。


≪適応≫の効果で≪火耐性≫LV1を獲得した。


***********




さすが我の≪適応≫アッという間に≪火耐性≫を手に入れたぞ。


しかしLV1では不安じゃ。


なんとかこの訓練でLVを上げたいものじゃ。




今度は勇者小型巨人も魔法を使うようじゃ。


アヤツは小型巨人の中でも飛びぬけて強いのじゃ。


なんとかこの訓練で弱点を見つけたいぞ。


「焼き払え光線レイ」


勇者小型巨人の指先が一瞬光ったかと思ったらとんでもない量の光が収束したレーザーが広場を越え森の木を焼き尽くして森に一本道を作ったのじゃ。


「「「「「・・・・・・。」」」」」


あまりのことに全員が言葉を発することができない。






***********


≪適応≫の効果で≪光魔法≫LV2になった。


≪適応≫の効果で≪光耐性≫LV2になった。


***********






なんじゃ小型勇者巨人が放った光は!


あんなもの掠っただけで体が消し飛ぶぞ!


とにかく今は力を蓄えて雌雄を決する時に備えるのじゃ!


そのためにも小型巨人どもの訓練に我も参加して力をつけるぞ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る