「キャー！　天司（ヒロ）君！！

　な、何なのォ～！？」

　手を引かれながら舞美は悲鳴をあげた。

「いいから、逃げるンだ！！

　あと一分で、部屋が爆発するぞォ～～ーー…！！

　ハリーも早く逃げろぉ～…！！」

「マ、マジかよォ～…！！」

　慌てたハリーも靴を手に持って、脱兎の如（ごと）く渡り廊下へ飛び出した。

　舞美はエレベーターへ乗り込もうとしたが、ボクは寸前で制止した。

「ダメだ！　舞美！！

　エレベーターは途中で停止すると厄介だ！！」

　ボクらは階段の方へ避難した。

　けれど、一分以上、経っても何も起きない。

　騎士（アイツ）のハッタリなのだろうか。

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