第10話 濡れた唇を……

《フフ…、ユーマァ~💕 あなたに本当のキスを教えて上げるわ 😆💕》

 妖艶な魔女は、ゆっくりと濡れた唇を重ねていった。

「ゥ、ぐゥ……」

 また小さく呻いてしまった。

 金縛りにあったように身体の自由が効かない。


 ボクは、美しい女郎蜘蛛じょろうグモの巣にとらわれたあわれな羽虫の気分だ。


 シェリーは、根刮ねこそぎボクの全てを奪っていくような気がした。

 

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