第186話 地球の過去
柄の悪いスカウトギルド員達が数十人集められベノムの指示の元各々の行動に移る。俺とコハル、そしてベノムは王都ネバから少し離れた郊外の開拓地へ連れて行かれることが決まる。子供達はアンジュに預けガンテツ屋で見てもらうこととなった。
俺とコハルとベノム、ギルド員数名が馬を走らせ数十分。
大火事があったおかげで焦げ臭さが風に乗ってくる中、辺りの草木が伐採され土しかない場所へと辿り着いた。
ここもスカウトギルドの所有地らしく、万が一ロイスの魔法が着ても被害は比較的少ないということで連れてこられたようだ。
「さあ、さっそくやってくれイット。時間が惜しい」
馬から下りた所でベノムにせかされるが気にせず、隣にいるコハルの心配をする。
「すまないなコハル……またこんなことに付き合わせてしまった」
「良いんだよ! 今度こそ、ロイス君を救えるんだよね?」
確信は無い。
ただ、ベノムが言っていたことが本当であればロイスの過去が見えると思う。
彼が暴走している原因が見つかるかもしれない。
いや、見つけ出さなければならない。
「ああ、必ず」
ロイスを救える自信は無い。
だが、何らかの解決策が見つかるとは思う。
俺は地面に手を付け息を整える。
「……いくぞ」
この惑星の形を意識し
「「「……!?」」」
人の三倍ほどの大きさの
「……ベノムは見たことがあるのか、これを?」
「……ああ、昔の相棒がな」
「相棒?」
「勇者だよ。初代の」
「初代勇者!?」
初代勇者……やっぱりベノムは相当昔からこの戦いしているのか。
「そんなことより早くやりな」
ベノムにさとされる。
気になるところだが、時間がないのは確か。
「コハル、頼む!」
「ふぅ……よし! いくよ!」
息を整えコハルが構える。
俺の指示で素早く動き出す。
先ほどと同じように……もっと効率よくコハルが
明らかに先ほどより早く完成させる。
「イット!」
コハルが全面を確認し完成を確認し俺に合図を送ってくれる。
それを見て俺は呪文を唱える。
「
だが、先ほどのように光の線は周りに広がらず、魔法元素のあった空間へ線が集中していく。
光の無数の線が集まり青白い球体へ変わる。
「これは……」
俺は地面から手を放し、球体に近づく。
近づいてその球体を覗く。
光の線が模様を描いているように見えるがコレが何を表しているのか何となくわかった。
「これは、地球か……」
大陸の形が違うが、この球体は何となく地球を……今の地球の形を表していることがわかった。
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