騎士との会合
王族の人達との対談からおよそ1週間ほど経過した。
それまでは来たるべき社交の場に向けて俺が着なきゃいけないドレスの準備を始めた。
言葉遣いは俺が平民出と周知されてるようなので敬語さえ維持できればとりあえずは問題ないとアルフが言っていた。
なので、心配なのは服装。
以前、ロコルお姉ちゃんと行った服屋とはもう何段階か上の服屋で大きさも内装も煌びやか。なんで俺はここに居るんだと思わせる。
貴族街にある事から貴族専門のお店。
もちろん高い買い物になるけど必要経費らしく国が払ってくれる。俺なんかに勿体ないよ。
正直、ドレスなんて気が進まない。あんなひらひらした服なんて似合う訳が無いもん。
ローブのままで良いのではと思ったけど、トーラスさんや高圧シスターだけでなくロコルお姉ちゃんからも否定的な言葉を貰った。
ダメなんだね。
今は店員さんによる俺への色んな色のドレスを着せては脱がし着せては脱がしと繰り返している模様。
着せ替え人形の俺はぐったり。赤やら黒やら白やらもう目がしばしばする。
店員さんは色んなドレスを着せるのに夢中で休ませてくれる気配が全くしない。
もうどれぐらい時間が経ったのか分からない。昼頃に訪れて今や外は夕暮れ。一日中特訓しても疲れない俺も、これには疲労困憊。
結局、俺の金髪と赤い眼に上手く合うようにと真っ白なドレスに決まった。聖女の印象も付ける意味も込めてこの純白のドレスにしたらしい。
ローブじゃダメですか?はい、ダメですか。
俺にはよく分からないからもうお任せします。
辛い一日が終わり、それから数日は教会に訪れた患者を治療したり、散策や特訓といつもの日常を過ごしていた。
嬉しいことにロコルお姉ちゃんと庭で試合が出来ました。
ずっと戦ってみたかったから楽しかったなぁ。
俺だからって油断せずしっかりと死角を狙って来たりとか良い動きをしていた。
ロコルお姉ちゃんはこれからも修練怠らず続ければもっと伸びると思う。
次はもしかしたら一撃もらうかもしれないね。
そんな楽しい日常の中、王城から使者を乗せた馬車がやって来た。以前、しどろもどろしていた使者さんだ。
どうも俺にびびってる訳では無いようだけど落ち着きがないなぁ。
緊張しいなんだろう。
そんな使者からの用件は、ついに騎士達の選別が終えたようで、顔を合わせをするとの事。
日程は相談した結果、明後日となった。
どんな強い奴がいるか楽しみだ。
出来れば、手合わせをする機会があれば良いけど。
そして、時間はあっという間に過ぎて顔合わせの日となりました。
いつもの使者に連れられ王城へ。
今日は社交とは関係ないのでローブ姿。
ドレスは何度か着てみたけど、似合ってるか分からなかった。ロコルお姉ちゃんは可愛いですとしか言わないし、高圧シスターは顔を真っ赤にして逃げるから結局分からずじまい。
だから、不安が残る。晩餐会とか呼ばれない事を切に願うしかない。
そして、2度目の王城。
流れは以前と同じ。
馬車が停まった場所にはメイドと執事の道。
ただ今回は宰相のロイドさんはおらず、待っていたのはアルフとスゥ様。
いや、王族直々のお出迎えって‥。
馬車を降りたらすぐに特攻からの抱きつきをするスゥ様をなだめつつ、騎士達との顔合わせの場へ向かう。
その間、アルフからは再度珍獣の件での謝罪をされたり、スゥ様とはたわいもない話をしながら手を繋いで一緒に歩いた。
ミーナちゃんと同じく妹が出来たみたいで可愛いけど、もう少し熱量を抑えてくれると嬉しいな。
到着したのは王城にある訓練場。
日夜騎士達が鍛錬に励む場所と教えてもらう。
確かに試合が出来るほど広く場所を取られていて良い練習場といえる。
そこには、1人の熊みたいな図体をした男性と軽鎧を纏った10人の騎士達が横にずらりと並んでいた。
ピシッと綺麗に整列され、規律がしっかりとしているようだ。
というか、その10人の中にノートンもいる。
なんだノートンも巡礼に付き合ってくれるんだ。
俺たちに気づいた熊が片手を挙げてガッハッハが似合いそうな笑顔で迎えてくれる。
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