実際、ヒロインの誰が1番好かれてるのかね
久しぶりに美姫の家までやってきた。もはや家族感覚で家に入れてくれ、美姫のお母さんに
「いらっしゃい。いつまでも美姫のこと頼むから、ね」
あぁ美姫が母親の娘さんだと、言われなくもとわかる輝くような笑顔を見せてくれる。
ちなみに来た理由は大掃除の手伝いだ。美姫のお父さんは超仕事人間なので、年末年始も見事に働いている。昔「美姫のこと頼むぞ」と力が強く肩をガツンッとされた。俺の稼いでもない身としてあまりにも重い期待な気がする。美姫の両親は美姫と俺が結婚すると、当然のように言っている。何回言われたことか。
ちなみに美姫の家には猫と犬、どっちも飼っている。たまに犬の散歩に付き合っている。猫が「ちび」犬が「ピース」という名前(命名は美姫)センスいいのかよー分からん。まぁかわいいからあまり深く考えないことにしよう。って毎回思ってるな。
ちびにはかなり嫌われていつも隠れてしまう。結構ショックなんだぜ? 、ピースは散歩に行来たがってリールを咥えて来る。
この家はすごく温かい。美姫のお母さんが美姫を見るとき「愛おしい」って気持ちがダイレクトに感じられる。いつか美姫もこんな素敵な成長をするのかと思うとほんわかした気持ちになるしいつまでも俺と美姫が横に並び合ってるような気さえしてきた。そんな気持ちで美姫を見るとすこし恥ずかしくなってきちゃったよ。
エアコンの掃除や電球のホコリ取りなど女性ではなかなか手の届かないところに重点を置いて手をパキパキと進めていく。
美姫のお母さんに
「そろそろお昼にするわよー」
と声掛けされた。集中すると時間が経つのが早い。
「あれ? 美姫は?」
「疲れちゃったから少しお昼寝って言ってたわよ」
「俺の家の家事もして、すごい助かってるけど負担になってないかなって? 心配になるんです」
「美姫が好きでやってることだから、逆にやらせてあげて、ね。」
その笑顔を見て、美姫の笑顔は母親譲りなんだなって思った。だってどっちも俺を安させてくれるから。
この、その笑顔を悲しそうな顔にはしたくないなって思ったんだ。
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