作中作のしっかりした小説は神作ってわかるんだよね。

グルーディエ王国に住む民俗学の学生ルシアと、魔女マーラと使いの少年ミロ、死神星と呼ばれる彗星と“流星の子ども”に関する逸話のお話。

携帯電話やネットが存在する王国でありながら、魔女や超自然的伝承が色濃く残っている世界だからこそ、「“流星の子ども”は殺せ」という言い伝えが非常にリアリティのある恐ろしさを感じますし、ストーリーもより現実的で重厚なものになっています。

作中作が非常に読み応えがあり、ストーリーと相互にしっかりとリンクしていて、本当に王国の文化や歴史を読んでいる気分になります。

中編小説で、民俗学のロマンを感じる丁寧な序盤に、各キャラに見せ場あり、終盤に盛り上がりありと、とても読み応えがあり面白かったです!