※王立図書館の資料(1)

王国と魔法《1801年刊より》

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 かつて世界アズール中に存在した多くの王国で、魔法使いや魔女は政治的な役割を多く果たしてきた。法整備が未熟だった中世においては、政治指針を決めるため、占いや魔術が信頼されていたためである。

 グルーディエ王国も例外ではない。

 歴代の王には直属の魔法使いが数名おり、重臣と並んで政治的助言をする重要な地位にあった。

 市民も魔法使いや魔女と日常的に接する場面があったことが分かっている。未だ医療の発達していなかった時代は薬師や医師として、また、人々の困りごとを解決に導く呪い師として、長い間必要とされてきたのである。

 一方で、魔法は攻撃の手段としても用いられてきた。

 魔物の侵攻や他国からの魔法攻撃が日常的にあった時代、グルーディエの王都では、魔法使いたちが魔法で守りを固めていた。郊外で魔物による被害が多く報告されるなか、王都では全く被害がなかったのはこのためである。

 政治的な権限は徐々に弱まっていったが、この魔法による王都包囲網は、少数になった魔法使いたちの手で今も脈々と続いている。

 

 

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