炊事は僕の担当です

猫のおじさん

平成31年(令和元年)

僕がご飯を作ることになったわけ

 結婚して来年で銀婚式。

 僕がご飯担当になってから、もう22年も経ったんだけど、結婚当時は妻が作っていました。

 結婚して1ヶ月ほど経過したある日。

 お互い仕事をしているから、当然妻よりも早く帰宅するときもあるわけで、妻の帰宅後にごはん支度を手伝おうと、賃貸マンションの小さなキッチンに入ると、妻はこう言いました。


「男の人が台所に立つこと、してほしくないんだ」


 これは、とっても良い奥さんを貰ったものだと、当時は感動していました。

 もう、知り合いに自慢したくなるレベル。


 でも、実家から持ってきていた何冊もの料理本が、すべてほぼ新品なことに気づいてはいました、はい。


 とある日、妻より先に帰宅した僕は、着替えてテレビを見ながら妻の帰りを待っていました。

 でも帰ってきた妻は、いつもの雰囲気とどことなく違う感じがすることを、鈍感な自分でも気がついていました。


(もしからした気付かないうちに、何か怒らせるようなことでもしてしまったのかな?)


 日に日に口数は減る妻に、何があったのか思い切って聞いてみました。


「あなたは良いわよね、帰ってきたらテレビを見てるだけで!私だって仕事で疲れてるんだからっ!」


 えぇ~~~っ!?


 まぁ、最初は本当に料理の出来る良い妻になろうと思っていたことは間違いないのでしょうが、やったことが無いことを毎日しているうちにストレスが溜まってたみたいで、この辺りから少しづつ炊事を手伝うことになりました。


 あ、妻の名誉のために書いておきますが、炊事以外のこと、洗濯・掃除などはキチンと妻がやってくれますよ、炊事以外は好きらしいので(笑)

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