俺の彼女は人懐っこい又従兄妹です

ポンポヤージュ66

俺の彼女は人懐っこい又従兄妹です

「りょーくん……、私だけに優しくして、意地悪してくださいと言ったら……困りますか?」




松中愛(まつなかめぐみ)。愛と書いてめぐみと読む彼女。俺より3つ年下の女の子であり、関係は俺のおじいさんの妹の孫。つまり又従兄妹である。




小さい頃はりょーくんと俺を慕ってくれた可愛い女の子。とは言っても親戚関係としては従兄妹より1つ遠い関係のため、会う頻度は少なかった。でも、まぶしい笑顔と俺にやたら懐いてくれたことで覚えていた。




そんな彼女とこういう関係になったのは、彼女が俺の家に住むようになったのが始まりだった。






「良助! 早く帰ってきなさい!」




今年から大学生になった19歳である俺は植木良助(うえきりょうすけ)。




大学が近くて、友人も何人か進学したのであえて大学デビューを意識せずにただ大学生になった。実家から通えたので、大きな環境の変化などないはずだった。




しかし、母親に電話で呼び出しを食らって、急いで帰って来たわけである。




「ただいまー」




「はやっ!」




「あんたが早く帰って来いって言ったんだぞ」




「あ、そうだったわ。でもあんたもやっぱり男ねー、女の子が来てるからって急いでくるなんて」




「俺は用件は聞いてないぞ」




「あ。そうだったわ」




このうっかり母親が。まぁいいや。とにかく俺の家に女の子が来ているということだ。しかし誰だ?




まぁいいか。知らん相手ではあるまい。




「うぃーす!」




ゴン!




俺は母親に殴られた。




「何すんだ?」




「お客様は寝てるの! ちゃんと聞いてたの?」




「俺はそんな話聞いてないし、そもそも母さんの声のほうがうるさい」




「あ、そうだったわ」




めんどいから無視しよ。えーと、お客様は……。




「すーすー」




俺が良く座っているソファの上で女の子が1人寝ていた。




少し赤っぽい黒髪をゆるくサイドで縛っているサラサラヘアー。かなり童顔だが可愛らしい寝顔。




ずいぶん可愛い子だな。誰だ?




「すー。りょーくん……」




りょーくん? 俺をそう呼ぶやつは多くない。俺は植木と呼ばれるか、良助と呼ばれる。この呼び方は……。




「母さん、もしかしてこの子めぐみちゃんか?」




「せいかーい。良く分かったわね。こんなに可愛くなって、おっぱいも大きくなってるのに」




「言わなかったのに……」




童顔フェイスと、寝ているとは言え分かる小柄な体型に反して、女性の2つのシンボルだけはやけに大きく育っている。うつぶせで寝ているのでそれがつぶれているのが分かる。




「でも何でいるんだ?」




正月やお盆休みの時期でもない。他の親戚がいる様子もない。それに、俺が何も知らないのも不自然だ。




「突然ですが、めぐみちゃんはしばらく我が家の一員として過ごすことになりましたー!」




「は? そんな話聞いてないんだけど」




「今はじめて言ったのよ」




「ふざけんな、事情を話せ」




「落ち着いて、事情はあるの。実はね、高兄さんと、静ねえさん……、もといめぐみちゃんのお父さんとお母さんが急にアメリカに行くことになってね。3年くらいなんだけど、その間のめぐみちゃんは16歳から19歳の時期だから、将来がかかる大事な時期でしょ……、それで静姉さんから相談があってね」




「なるほど、ちょうどめぐみちゃんも高校進学の時期だし、都合が良かったってわけか」




「ええ、この辺りの高校に受験して受かってるの。最初だけ元々の家から通って、5月のGW明けから、ここに住むことになったってわけ。ごめんね。時期が未定だったから、なかなか相談できなくて」




「俺はいいけどさ、めぐみちゃんはいいのか?」




「もちろん彼女も了承済みよ。でも元々めぐみちゃんがいたところよりも、ここはけっこう都会だから、最初はとまどいもあると思うの、お母さんも忙しいから、フォローお願いね」




「まぁいいけどさ。アルバイトくらいしかしてないし」




俺はサークルには特に入っていないので、あまり家を空けることも無い。めぐみちゃんはいい子だった記憶もあるし、本人がいいなら気にすることもない。




うちもうちで、父さんが単身赴任で家にいなくて、母さんも仕事してるから、俺がフォローしてやらないとな。




「とりあえずバイト行って来る、上がりが21時だから、多分21時半には帰ってくるから」




「はーい」








「うぁー疲れた」




バイトを終えて、家に帰ってドアを開ける。




「あのー、お帰りなさい。良助さん……」




「あ、ああただいま……」




やばい、完全に忘れてた。家にめぐみちゃんがいることを。まずい、心構えがなかった。




「…………」




あ、何か緊張してるし、手が震えてる。




そうだ、落ち着け俺。今日から全く知らない場所ではないとは言え、親戚の家に住むんだ。しかも俺とめぐみちゃんはけっこう会うのが久々である。普通に俺におかえりなさいというだけでもけっこう勇気は必要だったはずだ。それに、俺との接し方、距離感も分かりかねて、会話に困っている。その勇気を振り絞ってくれためぐみちゃんに恥をかかせてはいけない。後は年上でホームの俺が頑張らねば。




「めぐみちゃん、本当に久しぶり。けっこう背が伸びたね」




「え……?」




「なかなか顔出せなくてごめんね。それに俺の呼び方もよければ昔のままでいいよ」




「は、はい、ありがとうございます……りょーくん……、それに気にしないでください。家は決して近いとは言えませんでしたから、仕方ないと思います」




「おじさんとおばさんの転勤の話聞いたよ。大丈夫なのかな? いきなり新しい場所で生活するなんて大変じゃない?」




「い、いいえ、大変なんかじゃありません。お父さんもお母さんも最後まで私をどうしようか迷ってました。でもやっぱり外国の学校は不安で……、おばさんの提案は私もほっとしてます。で、ですから、あまりりょーくんやおばさんに迷惑をかけないように勤めますので、どうかよろしくお願いします。




丁寧なお辞儀に丁寧な言葉。いい子に育ってはいるようだ、しかし。




「ストップ。そんなに気を使わなくていいよ。今日からめぐみちゃんは家族なんだ」




「で、でも……」




「俺もさ、久しぶりにめぐみちゃんに会えてとても嬉しいし、一緒に過ごせるのすごく楽しみにしてる。だから、めぐみちゃんも楽しく過ごしてくれると嬉しいな」




「……はい、私もりょーくんに会えて嬉しいです! お願いします」




こうして、めぐみちゃんが俺の家に住むことになった。






その後も、学校生活はうまく行っていたようだし、俺とも母親とも良好な関係を築けていて、俺が心配していたことはないと思っていた。




「ふぁー。寝つきわるっ」




時刻は午前1時。11時半には寝ようとしたのに、どうも寝つきが悪い。たまにこういうことはある。




まぁ明日の大学は朝1じゃない。10時に起きれば間に合うし、一旦水でも飲んでくるか。




「あれ? めぐみちゃんまだ起きてるのか? それとも電気消す前に寝ちゃったかな?」




めぐみちゃんが家に来てから1ヶ月、めぐみちゃんは比較的早めに寝るために部屋に入っていたので、早めに寝る子という認識があったので、俺は後者だと思っていた。




「ドア開いてる……、あれ? めぐみちゃんがいない」




ドアの隙間から悪いとは思いつつも部屋を覗いたのだが、ベッドにめぐみちゃんの姿が無かった。




「ああ、お手洗いか?」




この家には1階にしかお手洗いがないからな。




「それよりも、水水ー。ちょうどいいから、夜食でも作ろうかなー」




俺は独り言をつぶやきながら、キッチンの電気をつけた。




「きゃっ!」




「え? めぐみちゃん?」




明るくなると、めぐみちゃんがしゃがんで何かしているのが目に入った。




ちょうどキッチン前のテーブルが死角で気づかなかった。




「どうしたの? 具合でも悪いの?」




「い、いえ、ちょっと水が飲みたくて。ゴクゴクー、はー! で、では」




そういうと、水を一杯飲み干してさっさとキッチンを出て行ってしまう。




何か慌ててたな。それに水を飲むのはいいとして、何で電気を付けないで……。あ……。




冷蔵庫が完全に閉まっておらず、足元にこれは確か魚肉ソーセージの袋……。そういうことか。




ちょっと小腹が空いたけど、勝手に食べることに遠慮したのか。これくらいなら、なくなってても明日の朝一言言ってくれればいいのに……、と思ったが、ここがやっぱり人の家ということか。俺だって多分気にしないでと言っても気にする。楽しそうに過ごしていて、何の問題もないと思ったけど、やっぱりわずかに遠慮があったか……。




しゃあない、人肌脱ぐか。




俺は冷蔵庫にあった、ツナとレタスとマヨと、パンを利用して簡単なサンドイッチを作成した。




「めぐみちゃん、起きてるかな?」




「は、はい!」




寝てたらちょっと面倒かと思ったが、幸いおきていた。




「あ、あのさっきはすいません……、私実は……」




ドアから少しだけ顔を出して謝るめぐみちゃん。




「俺さ、ちょっと寝つき悪くて、めぐみちゃんもそうならちょっとお話しない? ちょうど夜食も作ったしさ」




「あ、あの……、それはいいんですか?」




「もちろん。だから2人分持ってきたんだ」




というわけで、めぐみちゃんの部屋に入る。




元々物置みたいな部屋だったけど、やっぱり人が住むとその人の香りになるんだな。




ハグハグ。




どうやら本当におなかが空いていたようだ。サンドイッチを両手で持って食べる。なんかハムスターとかリスみたいだな。可愛い。でもそれ以上に綺麗になったなって思う。




「!? りょーくん……、恥ずかしいです……」




あ、口に出してた。いかんいかん。まぁ事実だし。




「そ、そんなこと言ったら……りょーくんも何か大人になってます……、ひげは生えてませんでしたし、もっと細かったのに、がっしりしてて!」




「何かむきになってるめぐみちゃんって久々だね。こんな感じは懐かしいね」




「あ……すいません……」




「いいっていいって。むしろ罵倒してくれればいいじゃんか」




「むー、何か意地悪ですね」




「元々俺ってそんなに親切じゃないぞ。めぐみちゃんも知ってるだろ?」




「……そうでしたね。お人形さんで遊ぼうとしたら、コマ○ドーごっこになって、お買い物ごっこは、ジャパ○ットごっこになって、卓球で遊ぼうとしたら、ピンポンダッシュになって、最後なんて、イメージしか合ってませんし……」




「後、肩車をしようとして、ジャイアントスイングをしたこともあったね」




「あ、アレは楽しかったので別です。お父さんもお母さんもやってくれなくて」




「それはおじさんとおばさんが正しいぞ」




今思うと、俺めぐみちゃんにめちゃくちゃしてんな。




「…………ちょっとすいません……」




ぎゅっ。




「え? ちょっと待って何で抱きついてくんの?」




「迷惑ですか?」






「い、いや、迷惑じゃないけど……」




いかん、寝巻きでちょっと薄着のめぐみちゃんの香りと感触が近い、いかん、この子は又従姉妹。いい兄でいなければ。




「寂しかったです……」




「……やっぱり寂しいのか?」




「はい、それでちょっと辛くて、あまりご飯を食べられなくて、こんな深夜におなかが空いたりして……」




やっぱりホームシックか。そうだよな。俺だって、いくら見知った親戚の家でも寂しくはなるだろう。




「俺も同じだよ。もし家を俺も出たら、家族に会えなくて寂しくて……」




「あ、違います、家族のことじゃないです、今はおばさんとりょーくんがいれば寂しくありません」




「え? でも寂しいって……」




「それは、りょーくんが昔のいじわるな感じから、優しい大人みたいになってて……、私が知らない人みたいになってたのが寂しくて……」




はぁぁぁ?




何? つまり何? いろいろよそよそしかったのは、俺が優しくしたのが原因?




「なんじゃそりゃー」




「きゃー!?」




俺は問答無用でジャイアントスイングする。




「わー、目が回る~」




「そりゃ優しくするでしょ! 久々に会った親戚の子が不安そうに初日してたんだぞ! 気使うわ! 何? 俺の気遣い返せー」




「わー? 持ち上げないでくださいー」




「まぁいいや、それなら俺もやりやすい。いいか、今日みたいなこそこそ自分の家でするの禁止。我慢するの禁止。不安になったら、俺に聞くこと。我侭言うこと! 分かったか?」




「は、はいー。下ろしてください~」




ちょっと激しくしすぎて、めぐみちゃんがグロッキ状態になった。でもこれくらいの関係をめぐみちゃんが望んでいたのか。




「そ、それでは、最初に我侭を聞いてください」




調子が戻ったのか、俺の目を見てそう言う。




「ああ、なんだ? 何でもいいぞ」




「りょ、りょーくんって、女の子の友人はいるんですか?」




「あ、ああ。俺のこと? もちろんいるよ」




我侭をいうはずでは? なんだろう。




「そ、その友達にも優しくしたり、意地悪したりするんですか?」




「まぁ、高校からの付き合いのあるやつもいるからな」




「……それを私だけにしてくれますか? 又従姉妹とかそういうこといろいろ抜きにして、私を1人の女の子として見てくれますか?」




……めぐみちゃんの顔には冗談の影もない。これはいわゆるあれだ。告白だ。




めぐみちゃんが俺にそういう感情を持っていてくれたなんて気づかなかった。




「……それを俺がOKするということは、めぐみちゃんが俺の彼女になるってことだけど、それはいいのか?」




「もちろんです、好きです。優しくしてくれる今のりょーくんも好きです。ちょっといじわるな昔のままのりょーくんも好きです。むしろ昔からずっとほのかに好きでした。それが一緒にいて1ヶ月で本当の恋になりました、私をりょーくんの彼女にしてください」




こうして俺には又従兄妹の関係にある可愛い彼女ができた。










俺と彼女の付き合いは母親にすぐ伝えた。又従兄妹関係にある上、信用されて預かった娘に手を出したことをとがめられるかと思ったが、どうもその辺りの話は両家族間でついていたらしく、あっさりしたものだた。




周りも祝福してくれて、一切問題などなく、平和な付き合いを続けて言った。






「あけましておめでとうございます!」




そんなこんなで新年を迎えた。すっかり我が家にめぐみちゃんが馴染み、3人家族のように過ごしていた。






「あ、あけましておめでとうございます。りょーくん」




「ああ、あけおめ、めぐみちゃーーーーん?」




俺は声が裏返った。めぐみちゃんが着物姿だったのだ。そりゃ裏返るわ。




いつもはキュートというか、可愛さが目立つ彼女だが、これは綺麗だ。




「ちょっと、顔でデレデレしてる時点で想像はつくけど、ちゃんと彼氏として感想は言いなさいよ」




「いや、めちゃくちゃ可愛いよ」




「あ、ありがとうございますー? わわ」




「というわけで、早速良いではないか良いではないか」




「あ~れ~、お戯れを~」




めぐみちゃんの着物の帯を解いて引っ張ってクルクルまわした。時代劇的なものではよくあることだ。




「め、目が回りますー」




目をくるくるさせて、めぐみちゃんがこっちに倒れてくるので、支える。




「ちょっと! めぐみちゃんに何してるの!?」




「だ、大丈夫です……。これはりょーくんの愛ですから。私も望んでこうされてます」




「…………、お互いがいいならいいんだけど……、あっちの家にお返ししたときに、めぐみちゃんがこんな風になっちゃったって言って大丈夫かしら……」




「大丈夫ですよ。りょーくんはほどよく私を雑に扱ってくれますから」




「それが駄目なんだけど……、というより帯結ぶのけっこう大変だから止めてね……」




「それはすいませんでした」




「はい、ごめんなさい」






「うう、着物って思ったより歩きづらいですね」




母さんに頭を下げて着物を着付けなおしてもらい、2人で初詣に出かけたが、着慣れていないのか、どうも歩き方がぎこちない。




「大丈夫か?」




俺はそんなめぐみちゃんの手をとって歩く。




「いい感じに歩けるようになるまでは、俺にくっついてていいから」




「ありがとうございます……、ちょっと私の体型は着物向きじゃないので……」




めぐみちゃんはあれがかなりおっきいので、サラシ的なものでしっかり抑えて帯がずれないようにしてるらしい。らしいというのは、俺はそれを見ていないからである。それを俺が会えて追求しないのは優しさ。




「基本的にはきなれてるもんじゃないよ。でもめぐみちゃんめっちゃ似合ってて可愛いからいいでしょ」




「…………はい、うれしいです」






「わー、人多いですね」




神社につくと、人でにぎわっている。普段はさほどにぎわっていない神社が、フェス化している。




「はぐれないようにね。手を離さないようにね」




「…………」




あれ? 返事がない。でも顔は嬉しそうだが?






「…………」




「…………」




そしてお参りをする。めぐみちゃんも真剣に何か祈っている。




「ふぅ……」




「大丈夫? ちょっと疲れた?」




「少し……」




「じゃあちょっといいとこに案内するぞ。手を貸して」






「あ、ここは人がいないんですね」




俺が案内したのは、神社の裏にある広場。




「この場所に表の公園から来ようとすると、けっこう坂上るから人は来ない。この神社裏から来るルートは知っている人が少ない。だから穴場だ。ゆっくり休憩するのにも、ちょっと2人きりになるのにも」




表の道路とも、喧騒が聞こえる神社とも離れたこの場所は、隔離された空間のようで本当に2人きりだ。




「靴連れとか、着崩れはしてない?」




「ふふ、大丈夫ですよ。今日のりょーくんは優しすぎますよ。はやくお願いが叶うといいんですけどね」




「お願い? 何を願ったんだ?」




「りょーくんがもっと私をほどよく優しくしてくれて、ほどよく意地悪してくれますようにって」




「何を願ってんだ。俺ってけっこう意地悪してると思うけど?」




あの告白以来、ジャイアントスイング、持ち上げてプロレス、整えた髪をくちゃくちゃに撫でる。料理してる後ろから息吹きかける。わき腹触るなど、やりたい放題である。




「まだまだですよ。それでもりょーくんは私に優しいですもん。お年玉もくれましたよね」




「そりゃまぁ、俺のほうが3つ上だし、アルバイトもしてるし」




俺はめぐみちゃんにお年玉をあげた。1万円あげた。全く惜しくない。




「あれについてはありがたく受け取りましたので、いずれ違う形でお返ししますけど、やっぱり優しいです。優しさと厳しさが7:3くらいです」




「めぐみちゃん的にはどれくらいがベストなんだ?」




「そうですね。4:6か3:7は欲しいです」




「まさかの意地悪の頻度高め?」




「もっと雑でいいんですよ。私はそれが嬉しいですから」




「しかし按配が難しい。やりすぎたら悪いし」




「じゃあ厳しさが8以上になるのが、どういうのか具体例をお話しましょうか?」




「ああ、それなら分かりやすい」




「じゃあまずは、8ですけど、暴言と暴力ですね」




「俺割りとやってる気もするけどな」




「りょーくんの言葉はちょっと厳しくても優しさがありますし、ちょっと乱暴はしますけど、暴力という感じではありませんから。これはちょうどいいです」




「9は私がいるのに、他の女の人を見ることです。私に厳しいですけど、私は嬉しくありません。でもりょーくんはずっと私を見ててくれました。嬉しかったです」




「そりゃ、めぐみちゃん周りの子より可愛いもん」




「……面と向かって言われると……、それはちょっと意地悪です……」




俺はめぐみちゃんしか見ていないというのに。あえて言葉にしないと伝わらないものだな。




「最後に10は…………、私とりょーくんが別れることですね……、きゃっ!?」




俺はそれを聞いてめぐみちゃんを抱きしめた。




「あーもう可愛いー。そんなことするわけないじゃんー。俺めぐみちゃんがずっと1人だったら、絶対に俺がお嫁さんにするし」




「そ、そんな……、私こそりょーくんが1人身だったらもらいますよ……、ってりょーちゃん……、後ろから強く抱きしめすぎです……、当たってますし、思い切り私のあれをつかんでますし……」




「これがめぐみちゃんのお年玉のお返しかな?




「玉のイメージで丸いだけじゃないですか……、やんっ」




めぐみちゃんのおっぱいは大きさはもちろん、形、弾力共に完璧である。触ったことのある俺がいうのだから、間違いない。今はブラではなく、さらしを巻いて、着物が崩れないようにしているため、ちょっと感触や形が違って逆に新鮮である。




「もう、こんなところでやるなんて、意地悪ですよっ。私で喜んでくれるのは嬉しいですけど……」




「これは意地悪度だとどれくらい?」




「…………6くらいです」




「じゃあOKだね」




事実上の許可がでたので、俺はたくさん触らせてもらった。




「…………、ちょっと触りすぎです……8になったかもしれません」




「マジで!? ごめん!」




いかん、フィーバーがすぎた。さっき明確な数値を言われただけに、本気で謝った。




「…………ここで優しくキスしてくれたら7になりますけど……」




「条件すごく破格!?」




全然怒ってなかった。




というわけで、キスを優しくした。外は寒いけど、触れている部分は暖かい。




なんかおっとりした清純な又従兄妹を俺が変にしてしまった感じがあるが、本人は満足そうだし、俺も満足なのだから、さほど問題はないのだろう。幸せな未来しか見えないし。

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