第11話 疑惑
あの日から、ハヤト、クルム先輩、ミエコといくつものミッションをこなしていった。
何度も何度も時空を越え、ミッションをこなす中、4人の中に1つの疑問が生まれていったのだ。
「本当に地上は分厚い氷に覆われてしまい、人類が住めない星になっているのか?」
4人で酒を飲むといつもこんな話で盛り上がるのだが、これにはしっかりとした理由があっての疑問だ。その疑問とは3人で調査を行ったこんなミッションだった。
ミッション名「ミッションMAS370」
このミッションはこんな内容だった。2014年から大量の人間が誘拐され、この地下世界に連れてこられるとの事件だったが、ただの噂でしかなく、タイムキープ社も確信を持って情報公開することができなかった。また、この事件に関与しているのはヒューマン社ではないかとの噂も浮上していた。これらの噂を確かめるため、事件当日のインド洋での現地調査を行えとの内容だった。
俺たち4人が2014年にタイムスリップして、一斉に顔を合わせ驚いたのは、済んだ空気に、熱くもなく寒くもなく過ごしやすい気候だった事だ。
この時代には既に地下世界掘削は始まっていたと聞いている。
俺たちが想像していたのは既に寒い世界だった。
また、監視対象の航空機を監視中に、ヒューマン社の物と思われるタイムディスクを数台目撃したのだ。
ヒューマン社は2118年の地下と地上を行き来する事を唯一許されている会社であり、時空を超えることは許可されていないのだ。それと同様にタイムキープ社とNASAは時空を超えることは許されるが、2055年以降の地上に出ることは許されていない。
結局、決定的な証拠を掴むことができないまま、航空機は2014年3月8日に乗員乗客239人を乗せたままインド洋上空で姿を消してしまったのだ。
この結果とヒューマン社目撃の情報を会社本部に報告したが、証拠不十分でこれ以上捜査が行われることがなかったのだ。
この出来事をきっかけに、4人集まると
「地上は本当に氷に覆われているの?」
と話が初まり
「実は、氷に覆われていないから、脳移植の体が底をついたんじゃないか?」
を経て
「ヒューマン社は過去へ言って誘拐を繰り返している!」
で盛り上がる。
クルム先輩はこうまで言う
「1930年にはカナダ北部の村人2500人が、1590年にはアメリカ・ノースカロライナ州沿岸の島の島民が、1923年にはブラジルのオウロ・ヴェルデの村で村人600人が……。他にも1954年に上海へ向かう列車ごと数百人が……。疑い出せばキリがないが、可能性は充分にあるし、俺はそうじゃないかと思ってる!」
実にクルム先輩らしい……。
そして、俺もそう思っている一人である。
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