第7話 帰還
会社に戻ると、ジョーが俺たち4人をミッション指令室に集めた。
「よくやった! ご苦労様」
俺は正直、怒鳴られるのを覚悟していたのだが……ちょっと拍子抜けだ。
ミッションの失敗は元王妃が容疑者ポールに誘拐されてしまった場合だそうだ。
「お前ら、今日は各自家に帰ってよし!」
俺はクルム先輩、ハヤト、ミエコに何も告げすに、黙って会社を後にした。
外の空気はやっぱりこの世界も美味しいかも……。上空には食料を確保に飛び立つNASAのタイムマシンが見える。家につく間、NASAの食料確保の話でもしよう。
2098年NASAが食料確保にタイムディスクを使い始めた当初は、過去の地球に戻り家畜の血や内蔵だけを持ち帰りDNAを取り出しクローンを作っていたのだ。過去ではキャトルミューティレーションと呼ばれ地球外生命体を仕業だなんて噂もあったみたいだ。しかし、これは土地の限られた地下世界、家畜を育てるための食料を確保することが難しいという事、そしてなにより美味しくないって理由で、成長した家畜をそのまま捕まえてくる方法に変わったのだ、これまた過去ではアブダクションと呼ばれ、地球外生命体の仕業だとされているようだ。
でも仕方がないと思う……だって、見たこともないタイムディスクが音もなく現れて、家畜を上空から奪ってまた消えていくなんて、地球外生命体の仕業、いわゆる未確認飛行物体UFOに連れ去られるとしか思えないやり方だ。しかしこれに一番驚いたのはNASA自身だって噂もある。
100年程昔は必死にUFOの正体を解明しようとしていたのに、実は100年後の未来の自分たちの仕業だったんだって気付いたのだから。
それから、こんな話も聞いたことがある。食料にするのは動物や植物だけじゃない。当然魚類なんかも海から捕まえてくることがある。ところが、地球の資源を守ろうってことで、持ち帰ることが許されるサイズの基準がある。その為、自動的にサイズを判別して基準に満たないサイズはリリースする仕組みになっている。しかし、突然の雷雨や高波になるとリリース前にその場を離れてしまうことがあるそうだ。そうすると希に住宅街や都市部で魚をリリースって失敗をしてしまう事がある。そうすると、過去の人類はファフロツキーズ現象とか怪雨と呼んで全世界で超常現象として大騒ぎになるらしい。
「ただいま~」
俺はシャワーを浴びると、そのままベッドで横になる。
「次のミッションはなんだろう……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます