モンスターへ乾杯!

新吉

第1話 スターへ喝采!

 幕が上がる

 スターは歌う

 歌い終わると

 割れんばかりの喝采が辺りを包み込む


 私はスターの歌だけでなく

 拍手喝采が好きだった

 大勢が声を揃える

 声の大波ができる

 のまれそうでのまれない

 のみこんでやる!

 なにもかも一切合切忘れて騒ぐ

 グッバイ日常!




 スターへ喝采!



「ここがスタートラインだよ」



 あっという間に日常は帰ってくる。おかえり日常。今回も早かったね、お土産は何?あーそれね、はいはい。たまにはいつもと違うやつにしてよ。



「これから面白くなるのよ」


「続けることに意味がある」



 私はいつもの日々を死ぬまで永遠に繰り返すことが幸せだなんて思わない。毎年、毎日、毎回、毎度のことです。こんなことを考えては諦めの悪い私の悪い癖。決まってイベントのない5月やら9月やら10月に襲ってくる。だってハロウィンは31日でしょ?春や夏に頑張りすぎるせいだ。ストレス発散しないとお前は一生このままだぞ、と呪いのような何かがのしかかってくる。


 だからスターに会いに行く。その時の自分の好みでスターは変わる。みんな知ってるもの、コアなファンしかいないもの、ひとにはいえないもの…まあとにかく様々。ずっと好きなものもある。そうでないものもある。それは特別な理由があってもなくても突然訪れる。別にスターが悪いのではなく、私の方だ。私が非日常だと感じなければおわり。だから現実味がなくてちょっと怪しくてもいいのだ。キラキラしていれば。


 私の星は今日も輝いている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る