第17話 茶渋とは? その性質と対処方法

 さてカテキンなどの紅茶ポリフェノールの話題を出した所、友人から「紅茶ポリフェノールと茶渋ちゃしぶの関係性は?」と問われたので、ちょっと調べてみました。そうしたら、なかなかこれも奥が深いお話になりそうでしたので、こちらに記載しようと思います。


 良かったらご一読。





 『茶渋ちゃしぶ』とは何かと言うと、お茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールが、水の中の鉄イオンなどの金属イオン&茶葉に含まれるタンパク質と結びついて、水に溶けない状態になって沈殿し、カップやポットにこびりついたもの、という事なんだそうです。


 それ自体には害は無いようですが、茶渋がこびりついた部位はデコボコになって洗剤やスポンジが届かなくなるので、雑菌が繁殖しやすくなるそうです。そのため、出来れば茶渋は取り除いた方が良いとの事。


 ですが、熱湯に晒される茶器は常に熱湯消毒状態になる訳なので、本当に雑菌が繁殖して悪さをするのか、不明な部分ではあります。


 ただ、見た目が汚く見えますし紅茶の水色すいしょくが見えにくくなるので、カップなどは茶渋を取り除いた方が良いかと思います。





 茶渋を取り除く方法としては、

●ぬるま湯に重曹を溶かし、そこに浸す

●漂白剤を薄めて、そこに浸す

●塩などの研磨剤で磨く

などがあります。


 重曹や漂白剤ですと、皮膚にかかると痛める事にもなりますので、扱いには注意をお願い致します。ゴム手袋は必須ですね。それと換気も。


 塩などの研磨剤ですと、陶器自体を傷付けてしまう恐れもありますので、そこは慎重に。






 それから余談になりますが、台湾烏龍茶を淹れる際に使われる陶器製の急須『茶壺チャフー』というものがありますが、こちらはわざと茶渋や香りを移すために、出涸らしの茶葉で磨いたり出涸らしの茶葉と一緒にお湯で煮込んだりして、『茶壺チャフーを育てる』という事をします。これを『養壺ヤンフー』と言うそうです。


 養壺ヤンフーされた茶壺チャフーで淹れた台湾烏龍茶は、香りが際立ちまろやかで美味しくなるそうです。


 それを真似てか、イギリスで古くから使われていたアンティークのティーポットを購入して中を覗くと、茶渋で茶色くなってしまっている事があるそうです。ティーポットの中は、茶殻を取り除いてからサッと水でゆすぐ程度にして乾かして使うとの事。


 あまり茶渋に関しては気にしてないみたいです。





 実害は無くとも見た目が悪い、そんな茶渋。適宜洗浄すれば付きにくくもなりますので、ティーカップだけでもマメに洗ってあげるのが良いようです。


 美味しい紅茶は、見た目(水色すいしょく)も重要ですしね。

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