第36話
「それでどうする気なんですか?」
「どうするもこうするも、この山を倒すのが依頼だからなあ」
俺たちがどうするべきなのかは俺にも分からない。
「困ったなあ。山を消し飛ばすぐらいならすぐにできるけど、被害が出ちゃうし」
「ちょっと待ってください。山を消し飛ばすぐらいと言いましたか?」
「少し大変だができるぞ?」
もちろん俺一人だと無理だ。
ゲームでは一人でできる魔法の限界がある。
ソロプレイヤーには厳しいだろう!と思うがそうでもない。
複数人で使う魔法の大体は、大規模な魔法だけだ。
例えば大地震でフィールドをぶっ壊したり、隕石を降らせてフィールドをさらにぶっ壊したり。
見た感じはめちゃくちゃ強そうな魔法だ。
だけどそんな魔法を使う場面は存在しない。
複数人でやるだけあって、タイミングを合わせたりやたらと魔力を使ったりする。
そんなことしている間に魔法使いは倒されてしまう。
しかも、複数人で使う魔法を使える場所が一部しかない。
まあ簡単に言えば、運営が遊び半分でつくった魔法だ。
しかも組み合わせれば似たような威力を一人でもできる。
まあ、そっちの方はたとえ俺でも成功率が半分あるかないかぐらいだが。
「
「私は賛成できないわ」
「僕もー。それは反対だなー」
「やる気はないよ。町の人まで死んじゃうし」
この
だから隕石を降らしたりしたらみんな死んでしまうからな。
「どうするかはやっぱり
「そうね。それが一番だわ」
こいつがどう生きているのか、動いているのかがまだわかっていない。
まずは調べることから始めないと。
「とりあえず一旦戻ろう。移動しながら作戦を考える」
俺たちは山の中へと戻ってきた。
町へは戻らず、氷結石が埋まっている行き止まりの方に戻った。
「こっちに来たってことは作戦を思いついたのかしら?」
「ああ。今から説明する」
作戦はこうだ。
まずモンスターについて調べなければならない。
これは魔法が得意なファラが適任だ。
だが、調べるためにはモンスターの核、心臓付近にいないと詳細が分からない。
モンスターの大きさによって範囲は決まるが、ここは大体山の中心の上らへん。
ここを掘れば核へと近づくだろう。
問題は核が中心にあるかだが。
まあ失敗したら失敗したでまた別のところを掘ればいい。
「それで誰が掘るの?」
「俺とメルで穴をあける。あけたらファラが中に入って調べてくれ」
「わかったわ」
「全然話についていけないのですが……」
クラハドールさんにも詳しく話した。
馬鹿でしょ?みたいな反応をされたんだが。
「じゃあさっそくやるぞ」
「こっちはおーけーだよ!」
「私もいつでも大丈夫だわ」
「いくぞ!」
「「神槍グングニル」」
俺とメルで魔法を使った。
人が入るぐらいの穴なら、こうしてあけたほうが早い。
神槍グングニル。
貫通できないものがないほどの貫通力の為、二人以上ではないと使えない。
「じゃあ行ってくるわ」
「ああ、頼んだぞ」
ファラは穴へと入っていった。
俺たちは戻ってくるまで少し休憩をすることにした。
「結果が楽しみだねー!」
「そうだな。しっかりと調べられただけど」
「あー、出来なかったらこれの繰り返しかあ……」
メルは嫌そうな顔をしていた。
たしかにこれを繰り返すのはめんどくさいもんな。
「ディラさん!メルさん!」
「どうした?」
クラハドールさんが慌ててこっちに来た。
さっきまで不思議そうに穴を見ていたのに。
何があったんだ?
「あけた穴が、しまっていきます!」
「なんだと!?」
そんな馬鹿な!
穴が勝手に塞がるわけがない。
まさか、ここ一体全部氷結石、生きているというわけなのか!?
「まずいぞ、早く何とかしないと!」
ともかく穴を維持するために何かで固定しないと。
いや、もしくは別の作戦にしてファラを助けに行くか?
「大丈夫よ。もう終わったわ」
何かないかと後ろを振り向いた瞬間、ファラが後ろにいた。
「…びっくりさせやがって」
「ふふっ。ひやひやした?」
「したに決まっている。ファラが死ぬなんて考えたくもないからな」
そんなことは起きないしさせないけどな。
そう言っている間に穴は塞がった。
「それで分かったことなんだけど」
「何が分かったんだ?」
「ゴーレムではなかったわ」
「ゴーレムではない?じゃあ何かの生き物と言うわけか」
「カメよ」
カメ……?
あのゆっくり動くカメのことか?
まさかでっかいカメが元凶だったとはな。
でもそれはいい知らせだ。
「じゃあ後は楽だな」
「ええ、そうね」
「一番大変なのは見つけることだったねー」
「えっと、これからが大変なのでは……?」
クラハドールさん、残念だけど敵がいる場所が分かれば後は楽なんだよ。
「相手が生きている動物なら倒せばいい」
「それが大変と思うんですが!?こんなにも大きい生き物ですよ!」
「そんなのは関係ない。俺たちはこの世界で最強だからな」
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